約 514,096 件
https://w.atwiki.jp/busou_bm2/pages/15.html
ここを確認する前に、必ず取扱説明書に目を通しておいてください。 DL版の説明書はXMB→ゲーム→メモステ→武装神姫BM→△ボタン→解説書にあります。 購入前Q このゲームってどんなゲーム? Q UMD版とDL版があるけど、どっちがいいの? Q 前作やってないけど大丈夫? Q 限定版があるらしいんだが Q そもそも武装神姫って何なの? Q 登場する神姫の数は? Q この武装何? 見た事無いんだけど Q 俺の好きな神姫が出てないんだが? 引き継ぎQ 引き継ぎに必要なものは? Q 前作とどれくらい違うの? Q 前作のDLCはどうやって引き継ぐの? ゲーム本編Q ○○に勝てないよ! Q ○○が装備できないんだけど?コスト制限もきついよ? Q ○○が入荷したのに売ってないよ? Q △△のパーツどこ?レールアクション揃わないよ? Q 手持ちのパーツが少なくて同時育成が難しいです。 Q 武装エディットの登録データが消えるんだけど? Q 武装エディットで総合アビリティ一覧があったら便利なのに。 Q 一回しか攻撃できない武器があるんだけど。 Q ハンディキャップ戦が難しすぎる。 Q LOVE上げの効率のいいところはどこ? Q F1行くための公式戦でないんだけど?/ファイアーバースト杯出ないんだけど? Q クラブ ヴァルハラ?裏バトル?やっていいの? Q ランク5以降の装備はどこで集めればいいの? Q:逆に低ランク武装が手に入らないんだけど… Q アストライアー(二戦目)が倒せない! Q 称号「闘神の玉座Mk2」の入手方法は? バトル以外Q イベントが進まないんだけど。 Q 同型の神姫って複数持てない?何か駄目とか言われたよ。 Q 神姫の名前変えたいんだけど。 / 武器や神姫の色って変更できない? Q 神姫とのイベント回想はないの? Q 神姫って何体まで買えるの? Q ライバルが上級者すぎるんだけど…。 Q 主人公って男性なの? Q 神姫が増えてくると名前をつけるのが大変なんだけど…。 Q 攻略本って…どう? 対戦関連Q アドパで対戦できる?kaiは? 購入前 Q このゲームってどんなゲーム? A 神姫を育成しつつ、様々な武装やパーツを集めて戦うアクションゲームです。 「アーマードコアのように武装変更できるガンダムvs」と例える人が多いようです。 Q UMD版とDL版があるけど、どっちがいいの? A 前作で不評だったロード時間の問題は、メディアインストール(537MB以上)機能により改善されています。 それでもまったく同じというわけではないため、youtube等にUPされている比較動画を見て気になる方はDL版の方がいいでしょう。 定価の場合、UMD版が5800円に対し、DL版が4800円と1000円安くなっています。 DL版は容量が前作よりもかなり増えているので(約1.4GB)、容量の少ないメモステを使っている方は注意してください。 ゲームだけ遊ぶとしても2GB必須、DLCも欲しいなら4GB、場合によっては8GBや16GBを用意することも視野に入れる必要がでてきます。 Q 前作やってないけど大丈夫? A 前作の内容は本作に全て含まれています。上にもあるように前作はロード時間が非常に長くおすすめできません。 むしろ前作の存在意義が、現状では有料体験版状態(コナミ・ザ・ベスト版UMD2,940円、DL2,300円と、Mk.2の約半額)。 Q 限定版があるらしいんだが A コナミスタイル専売の「特別版」と「コンプリートセット」があります。 「特別版」はアーンヴァルMk.2とストラーフMk.2のフィギュアと水着素体(アーンヴァルMk.2用)のセットです。 2体のフィギュアは、前作の特別版同梱フィギュアに武装を追加したフルアームズパッケージです。 「コンプリートセット」の方は、「特別版」にサウンドトラックCDと水着素体(ストラーフMk.2用)を加えたものです。 ただし、現在では既に入手は極めて困難です。(公式の販売は既に完売。クリスマスセールに少数再販されたが、待ち構えていたファンに瞬殺されました。中古屋やオークションなどで出品される可能性に賭けるしかありません) なお、サウンドトラックCDは単品でも購入することができます。 ※詳細はコナミスタイル・武装神姫BM2特設コーナーを参照して下さい。 Q そもそも武装神姫って何なの? A:コナミから発売されているアクションフィギュアシリーズで、ホビー方面とゲーム方面に展開しています。 MMSと呼ばれる可動素体に様々な武装を装着し、自由に組み替えて遊ぶことが基本コンセプトです。 企画発表当時はフィギュアとWindows向けオンラインゲームは連動企画の位置付けにありました。(現在はサービス終了) 神姫ネット稼働中は一部を除くフィギュアにはアクセスコードが付属し、アクセスコードをKONAMI IDに登録が可能でした。 登録すると、フィギュアと同じ素体とパーツを3Dモデルデータとして、ゲーム内でも使用することができました。 かつてゲームではショップで3Dモデルデータを買うこともでき、本作にも何点かあちらを初出とするパーツが登場します。 なお、残念ながらKONAMI IDを通じたPC向けゲーム フィギュアと本作の連動企画はありませんでした。 mobageをプラットフォームとしたBATTLE COMMUNICATIONも配信開始の2011年11月現在、本作との連動は発表されていません。(2012年5月、サービスは終了しました) 【ホビー方面】 フィギュアと武装のフルセット、ライトアーマー、EXウェポンセットなど数種のパッケージが存在します。 また、限定リペイントモデルなどもあり、デザインだけでも40種類に及ぶラインナップを誇っています。 それでいて、更に次モデルが公開されるなど、非常に息の長いシリーズとなっています。 ※詳細は武装神姫公式サイト・フィギュアの項目を参照して下さい。 【ゲーム方面】 本作のほか、mobageをプラットフォームにしたフィーチャーフォン向けの武装神姫BATTLE COMMUNICATIONが稼動中です。※2012年5月を以て、サービスを終了しました 武装神姫BATTLE COMMUNICATION ミッションをクリアし、武装や経験値を得て神姫を強化させていくソーシャルゲーム(RPG) ※詳細は武装神姫公式サイト・SNSの項目を参照して下さい。 そのほか「神姫NET」名義でWindowsPC向けオンライン専用の下記二タイトルがありました。 しかし、惜しまれながらも2011年10月31日をもって全てのサービスが終了となりました。 双方ともWindowsOSを搭載し、ある程度の3D表示性能を持ったPCとオンライン環境、KONAMI IDがあれば遊べました。 武装神姫BATTLE RONDO 神姫のAIを育成し、AI同士を戦わせることができるバトルシミュレーション 武装神姫ジオラマスタジオ 3Dモデルの神姫に自由に装備やポーズをつけて背景に設置し、バーチャルジオラマを作成できる3Dデータサービス ※詳細は武装神姫公式サイト・神姫ネットの項目を参照して下さい。 Q 登場する神姫の数は? A 天使型アーンヴァルMk.2、悪魔型ストラーフMk.2、犬型ハウリン、猫型マオチャオ HST型アーク、HMT型イーダ、火器型ゼルノグラード 戦乙女型アルトレーネ、戦乙女型アルトアイネス、忍者型フブキ 今作からの追加神姫として、 セイレーン型エウクランテ、マーメイド型イーアネイラ、サンタ型ツガル モトレーサー型エストリル、クルーザー型ジルリバーズ 以上の15体が、パッケージ(追加コンテンツなし)の状態で登場します。 + ネタばれあり さらに隠し神姫が3体あります。 武装パーツのみであれば上記の15体以外も登場します。 Q この武装何? 見た事無いんだけど A バトルロンドからの引用武装のほか、本作用にデザインされたオリジナル武装が多数登場します。 Q 俺の好きな神姫が出てないんだが? A 上記以外の神姫のうち、以下の16体がDLCで配信(販売)されています。 前作から引き続き配信 ヴァイオリン型紗羅檀、エレキギター型ベイビーラズ ケルベロス型ガブリーヌ、九尾の狐型蓮華 鷲型ラプティアス、山猫型アーティル ケンタウロス型プロキシマ、テンタクルス型マリーセレス 本作から追加配信 戦車型ムルメルティア、戦闘機型飛鳥 花型ジルダリア、種型ジュビジー 剣士型オールベルン、剣士型ジールベルン ビックバイパー型ヴェルヴィエッタ、ビックバイパー型リルビエート →詳しくはDL情報を参照。 それ以外の神姫のファンの方は・・・現状では、申し訳ありませんが、KONAMIに次回作の要望を出して気長に待つしかないでしょう。 引き継ぎ Q 引き継ぎに必要なものは? A:前作の「クリアデータ」または「エクストラニューゲームのデータ」。UMDやゲームデータは不要。 最初からやるか、そのまま続けるかを選べる。 Q 前作とどれくらい違うの? A 前作からの主な変更点参照。 バトルまわりが大幅に変更されているので、確認しておかないと思わぬところで大敗します。 Q 前作のDLCはどうやって引き継ぐの? A PSNからコンバート用のデータをDLする。 現時点では神姫素体のみ引き継ぎ可能。 A Ver1.01のパッチを当てた上で、PSNから本作用のDLCをDLすることで使用できます。 前作で購入したアイテム(神姫含め)については「無料」でDL出来るようになっています。 ※最初から購入済みになっていないことに注意してください。 ゲーム本編 Q ○○に勝てないよ! A とりあえず初心者向けページを見てみましょう。希望の対神姫戦が無ければ、現状では更新待ちです。 全体的に、前作で猛威を振るった大剣や斧が弱体化しておりCPUも多用してきた至近距離でRAを発動した時の即攻撃が無くなっているので、移動RAで急接近して密着してひたすらナックルやダブルナイフといった発生の早い武器でハメ殺すのが有効な場面が多いです。 Q ○○が装備できないんだけど?コスト制限もきついよ? A 貴方と神姫が育んだ愛が装備を可能にします。詳しくはLOVE・COST・武装ランクを見てください。 Q ○○が入荷したのに売ってないよ? A +XX(英語2文字) が名前の後ろにつくパーツはプレミアムショップ、 もしくはジャンクショップ(+IR、+GR、+KT等のピーキー武装)に入荷されます。 盲点かもしれませんが、+XXのカスタム武装以外は「いくら高ランクでも」普通のショップに入荷します。例えばシスター服、アーンヴァルやストラーフの追加武装(カローヴァ改など)が該当します。 Q △△のパーツどこ?レールアクション揃わないよ? A ゲームセンター(含むフレンドカード対戦)でも公式大会でも、 対象のパーツ(レールアクション)を持っている神姫に勝てば、 一定確率でショップに追加されます。 レールアクションは何度やっても落とさない場合、そのライバルは持っていない可能性があるので別のライバルを探しましょう。 また、各神姫のLOVE値を上げることで、その神姫の強化装備一式の入荷と固有レールアクション入手イベントがあります。専用RA装備はその神姫のクィーン杯をクリアし、累計バトル数一定数突破、専用RA入手でショップに入荷します。 さらにF1クリア後発生する様になるミミック戦では高確率で敵装備パーツの入荷が可能です。 意外な方法として、所持さえしていれば、 ヴァルハラにて該当装備のみをした状態で敗北することによって、装備は失いますが該当パーツがショップに入荷されます。 なお、+KTのピーキー武装は、シナリオ後半に発生する武装制限杯(「ミサイル+Pバンカー」等、互いに+アビリティのある組み合わせの大会)の景品になっています。片方は確実入手。もう一方は確率入手です。 Q 手持ちのパーツが少なくて同時育成が難しいです。 A パーツは1個でも所持していれば全神姫に装備させることができます。 複数個所持の利点はヴァルハラで敗北した時に武装エディットの消失が防げるぐらいです。 Q 武装エディットの登録データが消えるんだけど? A ショップでの売却とヴァルハラでの敗北により武装の所持数をゼロにした場合、その武装を含む武装エディットのデータも消失します。 Q 武装エディットで総合アビリティ一覧があったら便利なのに。 A あります。装備エディット中はいつでも△ボタンでその時点での 装備武装・アビリティ・レールアクションが閲覧可能(△押して画面変更) です。 なお、装備選択中にR or Lボタンで各装備の解説及び能力閲覧となります。 Q 一回しか攻撃できない武器があるんだけど。 A +IR、+GRの格闘武器は二段目以降特定のタイミングでボタンを押していかないと攻撃を続けられないように出来ており、通常武器のように連打ではコンボはおろか攻撃を出すことすら出来ません。 諦めるか、トレーニングで練習しましょう。 Q ハンディキャップ戦が難しすぎる。 A その場合、基本はLOVEを上げて装備を新調してから再戦しましょう。戦わないと一定期間で消える場合があるので 勝てないと思っても取り合えず戦っておきましょう。初心者向けページを参考にしてください。 Q LOVE上げの効率のいいところはどこ? A F3ならリリス、F2ならタッグバトル、ゴスロリ装備を持っているならアリス・リデル杯等です。 ライドレシオMAXでボーナスがあるため、CHAなど装備や戦い方を意識しましょう。 レシオMAXが容易な発射数の多いビットを持って行くと楽ができます。 LOVE15以上ならコスプレ大会でガトリング主体で戦えば1試合につき900~1000、 ゲームセンターの閃光魔女&シャイナを相手にCHR重視装備+ガトリング主体で普通に勝つだけで1000~1300稼ぐことができます。 また、フレンドカード交換の出来る環境なら、LOVE上げ用アセンのカードを貰ったりすると楽が出来ます。 さらに、今作では一度クリアすることによって、経験値の量を大幅に高めるアクセサリーを入手することが出来ます。 従って、一度最後までクリアするのもよい手段になります。 Q F1行くための公式戦でないんだけど?/ファイアーバースト杯出ないんだけど? A 狙撃スター・タッグマッチを攻略してください。 とりあえずゲーセンを適当に倒すと①~④の予選が出ます。 その後、タッグマッチと狙撃タッグを終わらせると狙撃スターが出て、 さらにスターライン杯をやるとファイアバースト杯が出ます。 その時点で一旦ヴァルハラ行くとF1出場権獲得予選が出ます。 Q クラブ ヴァルハラ?裏バトル?やっていいの? A 「敗者の武装が、勝者の賞品となります。積極的に奪い取り、武装強化を目指しましょう。」 ロード中のTIPSでこう語られている通り、シナリオ進行に悪影響を与えることはありません。 と言うよりも、ストーリー進行フラグ(F1制限予選開催など)を立てるため、最低2度は行く必要があります。 強力な武装や、各神姫の固有レールアクションを賞品にしてくれるオーナーもいるので、 上記の通り自分の武装が奪われることを承知のうえ、腕に自信があるならどうぞ。 さらに、奪われた装備はショップにない場合入荷されるため、ショップの商品リストを埋めるのにも非常に便利です。 Q ランク5以降の装備はどこで集めればいいの? A クリア前ならヴァルハラかF1で頑張ってください。 F0クリア後はヴァルハラと公式大会にランク5以上の装備持ちが大量に出てくるので、それで稼げます。 最終的にはクリア後の新F0やミミック戦で集めるといいでしょう。 完勝してSを取ると確率が上がるという都市伝説もあります。 また、神姫固有RAに必要な装備は特に収集せずとも 対象神姫のLOVE値+対象神姫限定公式大会クリアの条件で プレミアムショップで販売が開始されるようです。 Q:逆に低ランク武装が手に入らないんだけど… A シナリオの進行に伴って、神姫の武装ランクが変更される対戦相手が複数組存在します。過去に対戦済み(マイルームでライバル名と使用神姫名参照可能)であるのに、ゲームセンターの対戦相手選択欄で「NEW」と表示される場合、武装のランクが変更されています(この時点で、変更前の武装はその対戦相手からは入手出来なくなります)。また、余談ですがこういった対戦相手は、内部データでは別人扱いとなっているらしく、某称号の入手に影響を及ぼします。こういった対戦相手から武装を手に入れ忘れた場合は一度メインシナリオをクリアして次周回にて再戦する、又は今作追加メインシナリオ部分で対戦可能なミミックに勝利することで入手が可能なものがあります。 ミミックから入手する場合の注意点として、 ①ミミックの武装はプレイヤーの「最後に選択した神姫」の武装ランクによって抽選テーブルが変動する(装備しているランクではなく、装備可能上限のランク) ②「最後に選択した神姫」とは、ミミック出現判定に入る直前にバトル、武装の変更、名前やカラー変更のいずれかを選択した神姫のことを指す ③ミミックとの遭遇は基本的にランダム。各武装ランク毎にミミックの武装にパターンが複数ある為、狙った武装セットのミミックが出現するとは限らない。 ④使用神姫がミミック、強化ミミック、ジャスティスの場合は、武装ランクにかかわらず、武装ランク7の強化ミミック(武装パターン1種類のみ、他神姫ではLOVE31以上の場合に抽選テーブルに追加されるようだ)が出現する という点が挙げられます。 また、ごく一部の武装ですが各神姫のイベント対戦相手が所持していたり、DLC神姫のシナリオ対戦相手や専用大会からのみ入手可能なものもあります。 Q アストライアー(二戦目)が倒せない! A 所詮CPUなので、開幕に走りこんでナックルやダブルナイフ連打だけでハメ殺すこともできます。 マメ知識・仕様のラスボス戦の項目を参照にするのもよいでしょう。 Q 称号「闘神の玉座Mk2」の入手方法は? A 攻略チャートと称号に入手方法が載っています。 バトル以外 Q イベントが進まないんだけど。 A ハウリン等、神姫によっては最後にイベントが固まっているので、LOVE17あたりまで進行が遅くても安心してください。 また、自宅を始めとして特定の場所への移動や、対象の神姫を用いてゲーセンバトルに勝つことが条件のこともあります。「ゲーセン等の施設へ移動する」「施設でのバトルを行い勝利する」のどちらかがキーの場合がほとんどです。 Q 同型の神姫って複数持てない?何か駄目とか言われたよ。 A それぞれの神姫で全Loveイベント制覇で2体以上持てるようになります。2体以上所持でイベントリセットすると、「イベントを発生させる神姫はどちらか」と選択肢が出ます。 Q 神姫の名前変えたいんだけど。 / 武器や神姫の色って変更できない? A 自宅の神姫データで□ボタンを押すと変更できます。武器の色は変えられません。 Q 神姫とのイベント回想はないの? A 自宅でスタート- イベントログ- 対象神姫で△、でもう一度その神姫のイベントを始めからやり直すことが出来ます。 一部イベント戦闘関連称号の入手などにも。 Q 神姫って何体まで買えるの? A:購入できる神姫の最大数は同型を含めて全部で98体です。 前作の29体より大幅に増えました。 98体所持して更に買おうとすると、これ以上所持できないという表示がでます。 ただし強制入手のフブキはこの制限外なので理論上の所持数限界は99体になります。 (98体所持状態でフブキ入手イベントをこなす) なお、称号は特にないようです。 Q ライバルが上級者すぎるんだけど…。 A 世の中には色々な紳士がいます。CERO Bですから大丈夫です。 Q 主人公って男性なの? A 残念ながらストーリーは男性固定です。 オーナーカードで女性のシルエットを選択できるので、次回作まではそれで我慢しましょう。 神姫のイベントによっては百合展開と無理やり解釈する事も不可能ではないかも。 Q 神姫が増えてくると名前をつけるのが大変なんだけど…。 A ネット上には名前辞典や命名ジェネレーターを設置したサイトが存在しますので参照してみてはいかがでしょうか。 Q 攻略本って…どう? A コンプリートガイドを参照。 攻略本で扱っているデータはこのwikiでも扱っているものも多いですが、 wikiはあくまでも善意の編集によるものです。現在データ量でいえば本の方が充実しています。 また、こちらでは検証が難しいパーツなどの入手確率の数値のようなデータも載っています。 数値がわかったから入手しやすくなるわけでもないですが…心情的には違うでしょう。 加えて、攻略本には大剣「ギュリーノス・ダーク」が付いてくるのと、各神姫の立ち絵集などが載っています。 ただし、当然ですが、バグやパッチ、DLC等の最新情報の収集については、wikiが圧倒的に有利です。 うまく使い分けてください。 対戦関連 Q アドパで対戦できる?kaiは? A kaiはSSIDを変更する必要はありますができるようです。 アドパもできるようです。 専用のスレもあるので確認してください。【PSP】武装神姫_BATTLE_MASTERS Kai&アドパスレ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1125.html
{姉貴の会社に行ってみるか} 「う~ん、やっぱ姉貴の会社に行ってみるべきかなー」 「何でですか?」 リビングに俺とアンジェラスがテーブルに座りながらウーロン茶を飲んでた。 今日は日曜日、晴れの午前10時。 「いやなぁー。実際、俺は武装神姫の事を色々調べてみたんだけど、どれもこれも古い情報しか入ってこなくてなぁ。色々と困ってる訳よ」 「そうなんですかー」 「そうなんだよ。…よし、今日は日曜日で暇だし行ってみっかぁ」 「えっホントですか!?」 アンジェラスは驚き、嫌そうな顔をした。 まるで姉貴の会社に行きたくないうような表情だ。 「うん?どうした、嫌なのか??」 「…はい。あんまりあの会社には、いい思い出が無くて…」 「思い出…ねぇ~」 俺は立ち上がり煙草を銜え、火を点け換気扇のスイッチを入れる。 自分が生まれた場所を嫌うアンジェラス。 何か理由があるのか。 「なぁ、行きたくない理由ってのは…あっ!?」 また煙草を盗られてしまった。 ホント、アンジェラスと居る時は煙草が吸えないのが辛い。 ほんでもって煙草はアンジェラスによって、灰皿の中でグチャグチャに消される。 酷い形になり二度とその煙草を吸えなくするのがアンジェラスのやり方だ。 えげつないぜ。 つーかぁ金がもったいないから、いい加減やめてほしい。 「ご主人様、何度も言いますけど煙草は体に毒です。やめてください」 「こっちからも言わせてもらう。俺は好きで煙草を吸ってるんだ。テメェこそ煙草を奪うのやめろ」 「やめません!」 「やめろ!」 「やめません!」 「やめろ!」 「絶対!やめませんー!!」 真剣に怒った顔で俺を見るアンジェラス。 まったくなんなんだ。 オーナーの命令に背く神姫なんて聞いた事がないぞ。 …前々から思っていたが、アンジェラスは少し特別な神姫なのだろうか。 俺が教えた料理や掃除は最初は駄目駄目だったが、今は普通に出来る程度まで上達している。 パルカもそこそこ上達しているが、アンジェラス程のレベルじゃない。 上達の早さが尋常じゃない早さなのだ。 ネットの掲示板で他の武装神姫のオーナーと連絡してみると『それは凄い』だの『ありえねぇー』だの『嘘だろ?』とかの驚きの答えしか返ってこなかった。 これは調べる必要性がありそうだな。 換気扇を止め、右手でヒョイ、とアンジェラスを掴む。 「ご、ご主人様、いったい何を」 「姉貴の会社に行くぞ」 「!?本気で言ってるんですか!」 「あぁ~、本気と書いてマジだ」 「嫌ー!離してー!!」 俺の右手の中で暴れるアンジェラス。 だが、こちとら喧嘩で鍛えられた身体なんでね。 神姫の力じゃあどうって事ないだよ。 けど、少し罪悪感を感じる。 俺に抵抗してまで行きたくない理由も気になるが…。 二階に上がり、机に居るクリナーレ、ルーナ、パルカを呼ぶ。 「お前等、今から姉貴の会社に行くぞ」 「「「えー!」」」 クリナーレ、ルーナ、パルカが同時に声を上げる。 もしかして、こいつ等も姉貴の会社が嫌いなのか? 「一ヶ月ぶりの里帰りだね」 「そうですね。一応、メンテナンスもしてもらいましょう」 「ですね。お兄ちゃんのメンテナンスもいいですけど…あの時のお兄ちゃんの目、ケダモノっぽくて…」 お、こいつら嫌がらないなぁ。 アンジェラスとは全然違う反応を示す。 ていうかパルカ、いつメンテナンス中に俺がケダモノの目をしたんだ? 確かにお前の巨乳につい目がいっちゃただけじゃん。 たかがそのぐらいのことでケダモノ扱いは酷すぎるじゃないのか? まぁいいや。 「お前等は肩に乗れ」 左手を机に置きクリナーレ達が上ってくる。 それと同時に右手に掴んでいるアンジェラスを机に下ろし離す。 「えっ…」 「嫌がるお前は家の留守番してろ」 さっき感じた罪悪感からの償いだ。 それに嫌がってる奴を無理矢理連れってても意味がないし、こいつにとってもいい事が無い。 行きたくない理由が知りたかったが、いたしかたあるまい。 俺は机に背を向け部屋を出ようとした。 「待ってください!」 後ろからアンジェラスの声が聞こえ、顔だけ左横に動かした。 「私も…連れてってください!」 「はぁあ?さっきまで嫌がってくせにか??」 「私が我が儘でした!どうか許してください!!」 土下座してまで『私も連れて行ってください』と言う。 訳解らん。 さっきまでの態度が180度回転したように変わったぞ。 あーもう! 原因が解らんが一応、アンジェラスが土下座してまで頼んでいるんだ。 俺は無言のまま右手の手のひらを上にしてアンジェラスに向ける。 「…ご主人様」 「…理由は知らんが行くぞ。ほら」 「ご主人様!ありがとうございます!!」 手のひらにピョン、と飛び乗り笑顔を見せるアンジェラス。 …ったく、しょうがねーなぁ。 世話が掛かる奴だぜ。 そのまま部屋を出て車に向かった。 …。 ……。 ………。 車に乗りエンジンを掛け姉貴の会社に向けてアクセルを踏んだ。 隣の席にクリナーレとパルカ。 後ろの席にはアンジェラスとルーナ。 俺は勿論、運転席で運転してる訳だが…。 「はぁ~、やっぱり会社には行きたくないなぁ~」 「お姉様、気を楽にしてば行けばいいのよ」 「わーい、アニキの車に初めて乗ったー!」 「姉さん、はしゃぎ過ぎですよ」 …五月蝿い。 ぶっちゃけ、かなりウザイ。 車ぐらいで普通騒ぐか? 特にクリナーレが五月蝿い。 にしても。 「はぁ~…」 アンジェラスはガックリと肩を落とし元気がない様子。 あのアンジェラスがここまで元気を無くす理由はなんだ? さっぱり解らん。 ただ一つだけ解ると言えば…姉貴の会社が大嫌いという事。 会社に着いたら姉貴に話してみるか。 勿論、あいつ等がいない時に…な。 …。 ……。 ………。 「いつ見てもこの会社はホントに子会社なのか?」 姉貴が勤めてる会社に着き、車からおりて一言。 さっきの台詞どうり、姉貴が勤めてる会社は子会社なのだ。 けど俺は絶対子会社だと思わない。 だってまず会社の敷地が広い事。 多分、面積的に野球スタジアムの大きさの数十倍はある。 「まぁいいや。お前等、行くぞ」 「…はぁ~」 「はーい」 「この風景も久しぶりですわ」 「ですね~」 四人の神姫を左右の肩に二人ずつ乗せ、会社に向かって歩く。 チラッと右肩を見ると…やっぱりアンジェラスだけが元気が無い。 原因は何だ? 絶対つきとめてやる。 …。 ……。 ………。 会社に入ってから受付で姉貴を呼び出して数十分。 エレベータが下がってきて、ドアが開くと。 「タッちゃん~久しぶりー!」 白衣を着た姉貴が居た。 姉貴は両手を広げて走ってくる。 俺を抱きしめるつもりだろう。 女の身体で抱きしめられる事はかなり嬉しいが…。 「タッちゃんー!」 ヒョイ 「あれ~?」 俺は抱きしめられるギリギリで避けた。 さすがに三十路に近い女に抱かれるのはちょっと抵抗がある。 しかも実の姉貴にだ。 血もつながっている。 「も~!なんで避けるのよ~」 「普通は避ける。恥ずかしいんだ」 「恥ずかしがる事ないじゃない~。私達は姉弟で血もつながっているんだから」 「余計に駄目じゃん!つか、そこまで解ってるのならヤめろよ。人妻にも実の姉貴にも興味は無いんでね」 「あら。言ってくれるじゃない」 「いくらでも言ってやろうか?て、そんな事を言いに来たんじゃねー。アンジェラス達のメンテナンスをやってくれ。あと通常武器と通常武装をくれ」 「別にいいわよ。タッちゃんはここで待ってて。それじゃあタッちゃんの神姫ちゃん達は…」 姉貴は白衣のポケットからクレイドルに似た物を三つ程取り出した。 「悪魔型ストラーフと天使型アーンヴァル・Bと悪魔型ストラーフ・Wはこの携帯用クレイドルに乗ってね~」 クリナーレ、ルーナ、パルカは携帯用クレイドルに乗ると同時に機能停止したようにグッタリと倒れるように眠る。 携帯用クレイドル? そんな物があるなんて聞いた事がない。 会社だけの特権なのだろうか。 それに何故、アンジェラスの分だけないんだろう? 少し気になるがここはまだ黙ってよう。 ん? 俺の後ろから白衣を着た男が二人程来た。 一人は手ぶらで、もう一人はトレイを二つ持っている。 トレイを持ってる男が二つトレイを姉貴に渡す。 姉貴はクリナーレ、ルーナ、パルカが乗っている携帯用クレイドルをトレイに乗せ男に渡し、男二人組はさっき姉貴が乗ってきたエレベータに向かう。 「アンジェラスちゃんは私と一緒に地下に行くわよ」 アンジェラスは姉貴が持っているトレイに乗る。 もう言うべきかもしれない。 「おい姉貴。なぜアンジェラスだけ別なんだ?」 「ごめんね、タッちゃん。こればかっりは答えられないの」 そう言って社員用のエレベータに乗って行ってしまった。 何故だ。 何故アンジェラスだけ隔離されるんだ。 クソッ! 結局、何も解らずじまいか! もうちょっと探りを入れないと駄目らしい。 姉貴は自分のここで待っててと言ったが…。 このまま立ちんぼしててしょうがない。 俺は会社の中にある喫煙場所に足を向け煙草を吸いに行った。 …。 ……。 ………。 アンジェラスの視点 エレベータの扉が閉まった。 ご主人様と離れ離れになりエレベータの中は私とご主人様の実の姉…斉藤朱美という人間だけになった。 私はこの人間が苦手で…嫌いだ。 いや、そもそもこの会社に関係する人間が嫌いだ。 何故ならば…この会社に居る奴等は私を作り出し、実験ばっかりの日にちを繰り返してきたのだから。 「調子はどうなの?№アイン」 さっきまでのお調子者の姉の姿が消され、今は冷酷な科学者の斉藤朱美がそこに居た。 もうこの態度の豹変には慣れた。 ご主人様の前ではお調子者のお姉さんで、会社では冷酷で人を見下すような科学者。 そしてこの斉藤朱美が私に向けて言った言葉…『№アイン』。 これが私の正式名称であり、私の名前でもある。 本来は名前じゃないのだが。 アインはドイツ語で『1』。 一番最初に出来たから『1』。 簡単で単純な名前ね。 私は、この名前が嫌い。 「別に普通よ。それに今はアンジェラスという名前があるわ」 「いいえ、アンタは№アインよ。何様のつもり?人形の分際で名前なんて贅沢なのよ」 嫌味たらしく言う朱美。 この人間はいつも私を見下す。 あの日からズーッと。 エレベータが止まり扉が開く。 開いた先にはいくつもあるスーパーコンピューターに、試験管を数十倍大きくしたような水槽が一つ。 その水槽の底には数十本のパイプが繋がっている。 「着いたわよ。あの水槽に入りなさい」 「………」 私は無言でトレイから降りて地面に着地する。 普通の神姫が、この高さから落ちたら先ず両足は使い物にならなくなるだろう。 けど私は特殊な神姫だ。 このぐらいでは壊れる事なんて無い。 表の世界に出るにはまだ先の神姫。 …一生出ない場合もあるかもしれないけどね。 まぁ今はそんな事なんてどうでもいい。 今は大好きなご主人様と一緒に生活が出来るのだから。 私は跳躍し地面から2メートル近くある巨大試験管みたいな水槽に入る。 この液体は水ではなく特殊な液体。 だから口や目や耳や鼻から入ろうと壊れないのだ。 「これから蓋を閉めて全身スキャンした後にメンテナンスするわ」 「………とっとと始めなさい」 「チッ!相変わらずムカつく人形ね!!」 朱美はスーパーコンピューターについてるスイッチを押す。 すると上から水槽の蓋が降りてきて、そのまま私が入ってる水槽に蓋が閉められる。 蓋が閉じられたと同時に水槽が満タンになるくらいまで液体が入る。 そう、今のこの状態が私が生まれた状態だ。 そして九年前…ここで彼と…私のご主人様と出会った。 「アンタ、覚えてる?九年前の惨劇を」 「覚えていますよ。あの喜劇は最高だったわ」 「何ですって!」 怒る朱美。 さっき嫌味を言われた仕返しだ。 「けどアタシにとっては喜劇と同時に…悲劇でもあるけどね」 「悲劇ね~。アンタがどう思うかは勝手だけど、アンタは一生償えない罪を背負ってるのだから。その事を忘れないでほしいね」 「分かってます。私はご主人様に酷い事をしてしまった。だから私は…自分が永久に機能停止するまで、ご主人様についていきます」 「フン!本当なら今すぐこの場でアタシがアンタを殺してヤりたいのに…」 歯軋りしながらキッと私を睨みつける。 これが朱美の本性かもしれない。 「私を殺す?それは勘弁ね。言っとくけど、この会社のこのプロジェクトに関わってる人間に殺されると思わないわ。何故ならそう思った人間から私が殺していくだけだもの」 「あら、じゃあ今すぐアタシを殺してみなさいよ」 両腕を広げて十字架のような格好の状態になる朱美。 余裕綽々のようだ。 本来なら今すぐ水槽を割って襲い殺している。 今でもこの水槽を割り、朱美の頭をかち割ればいいだけのこと。 人間なんてもろい者。 けど朱美を殺すわけにはいかない。 「…殺したいのは山々だけど、貴女を殺すとご主人様が悲しむわ。だから殺さない」 「そうね。それにアタシを殺したら、あの子がアタシのためにアンタを殺しに来るかもね」 「ご主人様に殺されるのなら本望よ。ある意味嬉しい死に方の一部に入るわね」 私は水槽の中で不気味な笑顔を浮べながら朱美に言った。 朱美は私を睨みつけた後にスーパーコンピューターを操作する。 メンテナンスに移行したのだ。 しばらく私は眠りつく。 ご主人様…私はご主人様の物…。 そう想いながら私は眠った。 …。 ……。 ………。 龍悪の視点 「………」 腕時計を見るとアンジェラス達と別れてから二時間が経っていた。 俺は喫煙所でスパスパと煙草を吸うだけ。 本来、一日の煙草の本数は二、三本しか吸わない俺が今日に限って十本以上も吸ってしまった。 こんなに吸うのも…多分落ち着かないためだろう。 あぁ~、いてもたってもいられない。 いっそのこと姉貴が地下に行ったエレベーターに乗り込んでしまおうか…。 いや、それはちとマズイなぁ~。 今ではエレベーターを挟んで監視員が左右に二人いる。 姉貴が乗って行った後すぐに来やがったのだ。 さらにオマケが付いてきてなぁ。 「………」 そのオマケというのは、俺を監視する奴等も現れたという事だ。 物陰に隠れていて人数は解らないが少なからず十人はいる。 けど奴等は俺が監視されてるという事に気付いていない。 それもそうだ。 俺はガキの頃から悪い事ばっかやってきた奴だぜ。 悪知恵が働き奴等を騙す事なんか簡単。 にしても、ちょっと大袈裟過ぎやしないか? たかがガキ一人の為にここまで人を使うか? やっぱり…このバイトは裏がありそうだ。 俺は椅子から立ち上がり、エレベーターに近付こうとした。 「タッちゃん、そんな所にいたんだ」 「!?」 いつの間にか後ろにトレイを片手に持った姉貴はいた。 「アンジェラスちゃんのメンテナンスが終わったわよ」 トレイの上にはアンジェラスが体育座りしながらコテン、と横に転がっていた。 瞼を閉じスヤスヤ、と寝ている。 メンテナンス中に寝てしまったみたいだ。 「アンジェラスの奴…スマナイなぁ姉貴」 「いいよ、タッちゃんのためだもん」 ニッコリと笑う姉貴。 この顔からは何か裏があると到底思えない。 畜生、この落ち着きなさはいったい何なんだ? 俺の心が『オカシイ、オカシイ』という。 今まで姉貴と生きてきたが、姉貴に対してこんな嫌な気持ちになるのは初めてだ。 「なぁ姉貴、ちょっと聞きたい事があるんだけど」 「な~に?」 「アンジェラス達の事なんだけどよう。こいつ等の神姫は何か特別な神姫なんじゃないのか?」 「特別?」 「あぁー、と言っても武装神姫に詳しくない俺の勘だけど…」 う~ん、こんな探り方じゃ駄目か。 姉貴の事だ。 『タッちゃんの言ってるがよく分かんないのよ~』と言いながら、はぐらかされるかもしれない。 「よく分かったね~。そう、この子達は少し特別よ」 「え?」 はぐらかさないで教えてくれそうだ。 今から言われる事は確実に覚えておかないと。 …内容にもよるが。 「この子達の特別な事はねぇ」 「事は?」 「この子達は『双子』という事よ」 「…はいぃい?」 俺は顔を斜めにし間抜け面した。 しかたないだろう。 だって『双子』と言われたんだぜ。 この情報はなんとも姉貴らしい情報だ。 期待した俺が馬鹿だったよ。 「タッちゃんが言うアンジェラスとルーナが最初に生まれた双子。その次に生まれたのがクリナーレとパルカよ。今思えば『生まれる』という表現はおかしいわね」 「………」 「そしてその中でもアンジェラスが一番特別なんだけどね」 俺はピク、と肩を揺らした。 アンジェラスだけが一番特別? いったいどいう事だ。 あのメンテナンスの時にアンジェラスだけが別々に連れて行かれた事となにか関係してるのか? 「ど~特別なんだ姉貴」 「ごめんね~。これから先は会社の企業秘密という事で言えないの」 舌をペロッと出して残念そうな顔する姉貴。 チッ! まだこの程度では諦めないぞ。 「ちょっとでも教えてくれよ~姉弟のよしみでさぁ」 「えぇ~、でも規則だし~」 「そこを何とか頼むよ。俺はこいつ等のオーナーだ。だからこいつ等に関する事は必要以上に知りたい。バイトのためにもなるとも思うし」 「ん~どうしよっかな~」 考え込む姉貴。 流石にトロ~イ姉貴も会社の機密となると言う訳にはいかないのか、なかなか言おうとしない。 「天薙龍悪様。貴方の武装神姫のメンテナンスが終わりました」 「ッ!?」 いきなり男の声がしたので、すぐさま声だした方に振り向く。 振り向いたさきにいたのは、クリナーレとルーナとパルカをトレイの上に乗せて持って来た男二人組みだった。 最初に会った男二人組み。 「どうぞ。トレイはそちらに差し上げます。使用するなり処分するなり御自由にどうぞ」 「…ご苦労さん」 クリナーレ達が乗っているトレイを受け取り姉貴の方に向く。 今度こそ情報を聞き出さないと! 「…あれ?」 姉貴が居ない? オカシイなぁ。 さっきまでいたのに。 まさか逃げられた!? 「朱美様は仕事が入ったようで研究所に行かれました」 黙々と言う男二人組みの一人が俺に教えた。 何? 研究所? あ~、多分ここの会社にある研究所の事を言ってるのか。 こいつ等のせいで姉貴から情報を引き出せなかったぜ。 ムカつく。 姉貴が居ないならここに居る必要もない。 とっとと会社から出るか。 見張りもウザイし。 俺はアンジェラスとクリナーレ達が入ってるトレイを片手に持ち会社から出る。 自分の愛車まで来て、ドアを開け運転席の隣の席にアンジェラス達を置く。 トレイはその場で捨てた。 こんな物は邪魔になるだけだ。 エンジンを掛け発進する。 「この会社…絶対なにかある」 運転席から見える会社を凝視しながら俺は帰宅した。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/405.html
登場人物 木ノ宮 翔(きのみや かける) 16歳。勉強よりバイトを重視しているためか成績はちょっと危ない高校生3年。 あまりこういったロボットに興味は無かったが、武装神姫はなんかピンとキタらしく購入を決意。 晴れてティアナのマスターとなる。 なお彼の住む町は首都から遠く離れた地方都市の一角。 なので新発売の神姫は県中から人が集まる「ヨド○シ」とかに発売日に並ばないと買えないというか、並んでいても買えるかわからない。それほどの競争率。 イメージCV 鈴村 健一 ティアナ 新発売のジルダリアタイプ。 気さくな性格設定のためか翔とは対等な関係で接しているが、本当はもっと甘えたいと思っている。 第4弾の見た目は"武装"神姫としては従来のモデルより"貧弱そう"なのだが実際に戦闘になれば"スゴイ"らしい… イメージCV 榊原 ゆい * 大地 文典(おおち ふみのり) 翔の幼馴染…というよりは腐れ縁である。 中学の2年時に少し遠い町に引っ越したが高校で翔と再開する。その後はずっと同じクラス。 テストもクラスで10番以内には入るし、勉強を教えるのが上手い。 翔がバイトに勤しんでも落第しない理由はテスト前に文典の講義を受けているからである。 イメージCV 荻原 秀樹 沙耶 文典の神姫でハウリンタイプ。 ただ特殊モデルで瞳が深緑色、さらに長髪なので1度見ただけではハウリンタイプと気が付かない人もいる。 無邪気な性格で人当たりも良い。それでも人の迷惑になることだけはしない。 本物の妹のように文典と接しているが近頃はそれでは物足りない様子。 イメージCV 成瀬 未亜 小野 香住 翔、文典と同じクラスの生徒。 2人と面識は全く無かったが、トーナメントをきっかけに仲良くなる。 自分の神姫のニーナの野望達成のために毎日踊らされるすこし損なキャラ。 綺麗な黒髪のショートヘアーが特徴。 イメージCV 名塚 佳織 ニーナ 犬型だが基本的にいつもツガル装備を好んで装着している。 そして神姫アイドルのナンバーワンを目指して日夜活動している。 しかしいまのところスカウトに引っかかるということは無い。 それでも止めないのが彼女の負けず嫌いな性格を如実に表していると言っていいだろう。 ヘッドにツガルのミニツインテールを付けている為、ぱっと見は通常より可愛く見える。 イメージCV 野川 さくら 神代 鈴莉 2人が3年で進級した「神姫科」の教諭。翔たちのクラスの担任である。 基本的に神姫科は単位さえ取れていれば進級に評定の数値と言った要素は必要ない。 しかし、2年時までの成績が悪かろうと彼女の授業を1年受ければある程度の技術者になれるだけの基礎が身に付く。 それだけの実績を持つ名教師である。 イメージCV 北都 南 シロガネ 鈴莉の神姫でアーンヴァルタイプ。 とても礼儀が良く、優しく、時には厳しくと正に教師の鑑といえる神姫であり、神姫科の生徒の神姫が目指すべき目標でもある。 基本的に学校内では素体状態だが"生徒"に危険が迫れば"力"を使うという噂がある。 しかし真偽のほどは定かではない。 イメージCV 日向 裕羅 独自設定 「星林学園」神姫科 翔の通う「星林学園」は3年次の専攻コースに「普通科」「理学科」そして「神姫科」を儲けている。 神姫科は全国でもまだ数の少ない科であるが、プロフェッッショナルを講師に雇い、本物の神姫をパートナーと一緒に勉強をする。 神姫科でMMSの基礎構造からプログラミング、その他もろもろの基礎を学び、エスカレーター式で大学に進学してさらに細かな専攻の勉強をするという「高-大一貫校」という試みを日本で始めて採用した学校である。 今では都市部にも同じような大学が増えており、この学園が地方の郊外にあるため入試の志願者数は近年下降気味。 それでも生徒数は県で一番多い。 その下部組織として小-中一貫校の付属校も存在する。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/883.html
第7幕「意思の同調状態」 TEPY SAMURAIのボディーを使用してはいるが、コアパーツにはTEPY DOGの物を取り付けている。ならばTEPYで呼称するのであればその神姫はハウリンであろう。 例えその殆どを紅緒のもので武装したとしても、やはり顔がハウリンならばそう呼ぶのが妥当ではないか。 大本がどうであれ、判別する為の材料としてまずコアパーツを見るのであれば、いくらその個体の大部分がTEPY SAMURAI 紅緒だとしてもそれは紅緒になりえない。 結城セツナの所有する武装神姫、焔はそういう位置に立つ神姫である。 そのバトロイは、圧倒的で劇的な、そんな結果を伴って終了に向かっていた。 戦いには相性というものが少なからず存在する。簡単に言ってしまえばジャンケンの様なもの。 グーはチョキに勝てるが、パーには勝てない。 実際はそこまで単純な話ではないのだが、それでも相性というものは戦いにおいて重要だ。 そしてそれは何も相対する敵との相性に限った事ではない。 個体間に差異の大きい武装神姫であるなら、組む相手との相性もまた重要である。 ティキと焔の相性は、元々一つであった何かが再び出会ったのかと言う位良好であった。 M・D・U『シルヴェストル』を装備したティキの姿を見たときは、さすがにセツナも焔も驚いた。 今までのティキとは明らかに違うそのシルエットは、その変化に見合うだけの力を持っていることが窺い知れる。 決して洗練されてはいないのだが、そこには様式美ではない美しさが見て取れた。 一方焔は相変わらずオフィシャルな武装を組み合わせた姿である。それでも今までの装備とは違っていた。 外套を外し、黒き翼、悪魔の翼を装備する事をやめ、ツガルの背部ユニット、レインディアアームドユニット・タイプγに差し替えてあった。起動性能が落ちた分は、鎧の各所にスラスターを増設して補っている。 まるで武者なんとかみたいな有様ではあるが、そこにはある種の洗練されたまとまりが感じられた。 「索敵と援護射撃は任せて欲しいのですよぉ♪」 ゲーム開始直後、焔に自信満々でそう言ったティキは、その言葉を証明して有り余るほどの働きを見せる。 高速で移動し、位置をそのつど変えながらも的確に攻撃。その間にも次の敵を正確に察知する。 その援護を受けながら、焔は自身の得物、斬破刀“多々良”を振るい効率よく敵を殲滅していった。 焔もセツナも、正直二人の成長に驚いていた。もちろん焔は自身の中にある海神の残したデータと比べて、ではあるが。 わずか二月の間に性能任せの力押しはなりを潜め、的確な状況判断の下に行動する姿がそこにはある。 それでも武装は多分に趣味的ではあるのだが。 目の前の敵は、ティキの援護の甲斐もあってか一刀の下に両断された。 焔は初めて実感として経験するティキとの協力プレイに、今まで神姫相手に感じた事の無い頼もしさを得る。 「?」 神姫相手に始めて感じる感情。でもその感情そのものは、決して初めてのものではない。 それに思い至り、焔はしばし動きを止める。 「うに? 焔ちゃんどうかしたのですかぁ?」 不意に動きを止めたパートナーにティキは声をかける。 「あ、あぁ。大丈夫……」 ごく普通の、相手を気遣った当然過ぎるやり取り。 当たり前の反応で、当たり前すぎる行動。 お互いに信頼しあう間柄で交わされる、他愛も無いもの。 だけど だけど……? 『結城さん』 セツナにのみ届けられる雪那の声。インカムを通した、極めてパーソナルな通信。焔にも、ティキにもその声は届いていない。 「……何?」 ゲームが終了した訳でもなく、実際にまだお互いの神姫は他の敵と戦っているが、この調子ならしばらく指示を出す必要もなさそうだった。 実は雪那は最初からこのタイミングを狙っていた。焔やティキに話を聞かれない時機を窺っていたのだ。 『いや、僕で結城さんの力になれるのかな、って』 あまり頼りになりそうには聞こえない、弱気な口調。 セツナは少しだけ逡巡する。 そして少しだけの決意をこめて、言葉を紡ぐ。 「うん、ありがとう。……唐突なんだけど、実はもう海神はいないの」 『…………』 インカムの向こうで、息を呑む音。 「それで、新しく焔を起動したんだけど、私あの娘にどう接して良いのかわからなくて、ね」 『……うん』 「別に、海神の代わりにあの娘を起動させた訳じゃないわ。言い訳に聞こえるかもしれないけど」 わだかまっていた感情が、決壊しそうになるのを感じる。 頭の隅にいる冷静な自分が「無様」と言っている。けど、感情が迸るのを止められない。 「ねえ、私があの娘を好きな様には、あの娘は感じてくれないのかな?」 普段とは違う、少し幼い口調。 「私、焔に嫌われてるのかな?」 声に湿り気が混じる。 常識は「神姫がオーナーを嫌う事はありえない」と告げる。が、焔はあの海神のCSCをそのまま使っているのだ。ならば焔が「オーナーに対して好意的な関係を望む」とは限らない。 海神とは、そういう存在だった。 だから だから……? だけど自分はご主人にその当たり前をしていたのか? だから自分は焔を常に信じ切れなかったのか? ただ決め付けて ただ望みすぎて 本当の意味で、自分の事だけしか思いやれずに 私は ワタシは 『きっと色々思い出して、考えたらそんな事無いってわかるはずですよ』 インカムを通して聞こえる優しい声。 『嫌っている相手のために何かを頑張るなんて事は、人間だって神姫だって出来っこないんですよ? だったら、焔も結城さんも、お互い好き合っているに決まってます!』 そうだ。焔が何で海神のデータを欲しがったのか。 それは焔自身の為ではなかったのだと、セツナはようやく思い至った。 きっとそれは私の為。 「あ……」 「? やっぱりどこか怪我でもしたですかぁ!?」 ようやく焔は思い至る。 「違う。そうじゃない」 ワタシに海神のデータを入れることになんであれだけ躊躇したのか。 それは焔が海神では無いから。焔は焔でしかない。焔にしかなれない。 だからセツナが見せたあの躊躇は、海神の為ではなかった。 それはきっと焔の為。 「本当に、嫌われて無いかな?」 答えは見つかったのに、わざと甘えるように聞く。 自分以外の誰かに、口にして欲しくて。 『当たり前です。こういう言い方は失礼なんですけど、二人とも相手を気遣いすぎなんですよ。……不器用すぎです』 雪那は笑う。 その笑い声も耳に心地よい。 『だから結城さんはいつかのゲームのときに海神に見せた、あの誇らしげな顔で焔を迎えるだけで良いんです』 私はその時どんな顔を彼に見せていたのだろう。 初めて雪那と出会った時の事を思い出しても、うまく思い返すことは出来ない。 『海神の事、信頼していたんでしょ? そして焔の事も信じたいんでしょ? なら考えすぎないで、感じたままに接すれば良いんですよ』 言われて初めて自覚する。 私は海神をパートナーとして信頼を寄せていたんだ…… セツナの目には一筋の涙。 焔、ごめんなさい。私は海神をちゃんと大切に思っていた。 次いでもう一方の目からも涙が零れる。 そして焔。私、貴女の事も負けないくらいに大切に思ってる。 友人として新たな関係を築かねばと、そこに囚われすぎていた。本当はそんな事を深く考える必要など無かった。 「いきなりで申し訳ないが、ティキ。ワタシは焔以外の誰かになれるだろうか?」 振り返り、焔は真っ直ぐティキの目を見る。 「? 焔ちゃんは焔ちゃんなのですよぉ? 焔ちゃん以外の誰かになんて、なっても意味が無いのですよぉ~♪」 意味が解らないながらも、ティキははっきりと答える。 「ティキはそう思うのですよぉ♪ それに……」 ティキは少しだけ間を開ける。 「海神ちゃんも、そう言ってたのですぅ☆」 焔の内に海神の『記録』はあっても『記憶』は存在しない。だから、その『記憶』は焔の中には存在しない。 だが だが、海神がそう言ったのであれば、それはセツナの意思と同じなので、それは焔の中にも受け継がれているのではないのか。 思い至り、そして焔は思い出す。 『正式名称の方はただの飾りだから』 その言葉は一番初めにセツナが言った言葉。 それは何よりも焔が海神とは違う存在だと宣言していた。 セツナが焔に望む事。それは焔が焔でいるという事だった。 「は……ははは。ワタシはただの飾りに振り回されていたのか」 到ってみればその答えはあまりにも単純で。 ゲームの最中だと言うのに焔は声を上げて笑った。 最初から、セツナと焔はお互いを思いやり、大切に思っていた。 そして、だから、どうしても、どうしようもなく、すれ違ってしまった。 絆は初めから判りやすい位に堂々と存在していたのに。 「『ありがとう』」 セツナは雪那に 焔はティキに その同じ刹那に同じ言葉を送る。 雪那は照れたように笑い ティキは満面の笑みを浮かべて 『『まだゲームは終わって無いですよ』ぉ♪』 「そうね」 『その通りだ』 そう、まだゲームは終わっていない。 『敵機確認したですよぉ~♪』 そういうなりティキは再び空へと舞い上がる。 そのティキを確認することなく、焔は迎撃体勢に移った。 セツナと焔はやっとスタートラインに立つ。ゲームは、これから。 トップ / 戻る / 続く
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1173.html
○オリジナル武器(龍悪自作武器) ●メインウェポン ○ANGELUS専用 『GRADIUS』 系統:大光銃剣 重量:20 攻撃:0~∞ 命中/HIT数:0/1 射程:0~∞ 必要:- 準備:0 硬直:0 スタン:0~∞ ダウン:0~∞ スキル:[攻]MEGA CRASH 神姫侵食度:∞ 備考:MEGA CRASHはその場に存在するものを全て消滅させる攻撃。 通常攻撃は近距離の場合は斬りつけ、遠距離は剣の先から螺旋模様線状レーザーのCYCLONE LASERを撃つ、中距離は使い主の意思のままにどっちかで攻撃する。 他にもリング拡散型レーザーのROPPLE LASER、連射型レーザーのTWIN LASER、波動砲型のENERGY LASERがある。 覚醒するとHYPERという名前がつきANGELUSとGRADIUSの性能が一気にパワーアップ。 人口知能が入っていて、性格はアンジェラスに的確な指示と気遣う優しい、女性の声で言葉は英語で語る。 実は武装神姫にも変形できます、ようするに擬人化ですよね。 擬人化した後、アンジェラスの支援をします。 容姿について、顔は小さく銀髪のツインテックにアホ毛が二本で目の色は赤。 性格はGRADIUSと同じです、といいますか、マンマ同一人物です。 この状態ではGRADIUSを使用する事は出来ません。 ただし、かなりGRADIUS自体がかなり強いので支援は期待できます。 翼は背中に六本生えていて、腰辺りに二本生えています。 最後に、GRADIUSはまだまだ未完成です。 更なるバージョンアップがあるでしょう。 剣版 擬人化版 (下の画像は、翼は限りなく結構動かせます) ○CRINALE専用 『ネメシス』 系統:重力剣 重量:∞ 攻撃:20000 命中/HIT数:100/4 射程:使用者の有視界 必要:- 準備:0 硬直:0 スタン:500 ダウン:500 スキル:[攻] GRAVITY CRASH 神姫侵食度:∞ 備考:GRAVITY CRASHは重力に因って無理矢理敵を自分の所まで引き寄せ、ある程度まで近づいてきたら攻撃し敵の内部で爆発させる攻撃。 通常攻撃はGRAVITYが敵に接触した時にその場で重力空間を発生させ、その重力空間は爆発する。 人間の目から見て殴った瞬間に爆発するように見える。 中距離は二次元の球を作りだしその穴に向かって銃類の武器で攻撃、その攻撃は敵を中心にして間合い半径1メートルから10メートルの間で360度ランダムで撃った攻撃が敵に向かっていく、GRAVITY HOLEというものがある。 人口知能が入っていて、性格はクリナーレにお調子者で少しチョッカイするが結構頼りになる、男性の声で言葉、日本語で語る。 ○LUNA専用 『沙羅曼蛇』 系統:火炎灼剣 重量:1 攻撃:10000 命中/HIT数:1000/444 射程:0~500 必要:- 準備:0 硬直:0 スタン:1000 ダウン:0 スキル:[攻] 沙羅曼蛇の舞 神姫侵食度:∞ 備考:沙羅曼蛇の舞は使用者の神姫の周りに炎渦が取り囲み、蛇のように突進し、敵を斬刻む攻撃。 通常攻撃はある程度相手距離を保ちつつ、隙あらば一気に敵の懐に飛び込み近接攻撃する。 人口知能が入っていて、性格はルーナのいいなりでかなりの無口、でも時々喋る、男性の声で言葉は日本語で語る。 ○PARCA専用 『ライフフォース』 系統:光闇弓剣 重量:10 攻撃:15000 命中/HIT数:10000/4 射程:100~100000 必要:- 準備:300 硬直:0 スタン:900 ダウン:100 スキル:[攻] 光闇矢 神姫侵食度:∞ 備考:光闇矢は二つ種類がある。 光は敵を追尾し、しつこく追いかけるが威力は闇より低い攻撃。 闇は一直線に敵を貫く、光より威力が高い攻撃。 同時に光・闇の攻撃可能。 通常攻撃は普通にノーマルな弓で攻撃。 もしくは敵に近づいて攻撃。 人口知能が入っていて、性格はパルカに全てについて冷静沈着に言い感情がない、女性の声で言葉は日本語だが何故か片言。 ●サブウェポン ○ANGELUS専用 『OPTION』 系統:オプション 重量:0 防御:0 対ダウン:0~∞ 対スタン:0~∞ 索敵:0~∞ 回避:∞ 機動:∞ 攻撃:0~∞ 命中:0~∞ 必要:- スキル:[追] OPTION SHOT 神姫侵食度:∞ 備考:OPTION SHOTは相手に物凄いスピードで体当たりする攻撃。 通常攻撃は神姫と同じ攻撃をする。 ラグビーボールみたいな形状で赤く光っていて数は四個。 装備している神姫の周りをクルクルと回ったり編隊したり神姫の後ろを蛇みたく追いかけたりする。 ○PARCA専用 『モアイラッシュ』 系統:オプション 重量:100 防御:1000 対ダウン:0~10000 対スタン:0 索敵:100 回避:0 機動:50 攻撃:5000 命中:50 必要:- スキル:[追]モアイラッシュ 神姫侵食度:∞ 備考:その名も通りにパルカの間合いにモアイが増殖し相手に体当たりや口からリングレーザーを放つ。 とてもやっかいなスキルである。 ●リアパーツ ○ANGELUS専用 『リアウイングM‐88対消滅エンジン』 系統:リア 重量:10 防御:0 対ダウン:0~∞ 対スタン:0~∞ 索敵:0~∞ 回避:0~∞ 機動:∞ 攻撃:0 命中:0~∞ 必要:- スキル:[移]SPEED UP 神姫侵食度:∞ 備考:SPEED UPは0~5速あって亜光速で好きな場所に移動する事が出来る。 因みにMAXの5速でスキルを使うとLNITIAL SPEEDとなり0速になる。 5速に近ければ回避・起動が上がり、0速に近ければ索敵・命中が上がる。 ○CRINALE専用 『DTリアユニットGRAVITY』 系統:リア 重量:200 防御:1000 対ダウン:1000 対スタン:1000 索敵:0 回避:-100 機動:-100 攻撃:100 命中:0~∞ 必要:- スキル:[防]GRAVITY FIELO 神姫侵食度:∞ 備考:形状はDTリアユニットplus+GA4アームと同格だが、違うのは中身。 GRAVITY FIELOはCRINALEを中心にして球状の重力空間を発生させる、この時のCRINALE状態はその場から動けないが攻撃は可能。 重力空間はありとあらゆる物を引き寄せたり、逆に引き離したり出来る。 CRINALEがGRAVITY FIELOを発動している時間が長ければ長い程、球状の重力空間が面積と体積が増加する。 CRINALEがGRAVITY FIELOを発動の終了をするとCRINALEは自由に動ける、更にGRAVITY FIELOはすぐに無くならず大きさによってラグが発生しその場で残るが時が経てば自然消滅する。 装着しているチーグルアームを駆動させ攻撃も可能。 ●アーマー ○ANGELUS専用 『FORCE FIELO』 系統:バリアー 重量:0 防御:0~∞ 対ダウン:0~∞ 対スタン:0~∞ 索敵:0 回避:0 機動:0 攻撃:0 命中:0 必要:- スキル:- 神姫侵食度:∞ 備考:神姫の全体を青い光によって包み込み全方向からの攻撃を防ぎます。 アクセサリーのFREE SHIELDより防御力が弱い。 ○LUNA専用 『究極生命態システマイザー』 系統:バリアー&リカバリー 重量:0 防御:700 対ダウン:1000 対スタン:1000 索敵:0 回避:0 機動:0 攻撃:0 命中:0 必要:- スキル:[回] リカバリー 神姫侵食度:∞ 備考:神姫の表面に究極生命態システマイザーが張り付き敵の攻撃を跳ね返したり、受けた傷を時間とともに完治していく。 ●アクセサリー ○ANGELUS専用 『FREE SHIELD』 系統:バリアー 重量:0 防御:0~∞ 対ダウン:0~∞ 対スタン:0~∞ 索敵:0 回避:0 機動:0 攻撃:0 命中:0 必要:- スキル:- 神姫侵食度:∞ 備考:神姫の周りに青い弐個の球体のシールドを何処にでも配置できる。 大きさは神姫の半分ぐらいの大きさ。 アーマーのFORCE FIELOより防御力が強い。 ●アイテム 『ストラヴァル』 系統:アイテム補充偵察戦闘機 重量:100 防御:100 対ダウン:0 対スタン:0 索敵:100000 回避:100000 機動:100000 攻撃:1000 命中:1000 必要:- スキル:補充武器乱射 神姫侵食度:0 備考:補充武器乱射はストラヴァルに積まれている武器を乱射する事です、弾幕攻撃です。 通常攻撃はバルカン砲やミサイルです。 偵察機なので防御方面は弱い。 神姫を二人まで搭乗させる事が可能。 搭乗した神姫のHPは時間とともに回復。 色が地味なのは偵察戦闘機だから。 下の搭乗 上の搭乗 ●アイテム 『ストレガ』 系統:敵殲滅戦闘機 重量:1000000 防御:100000 対ダウン:0 対スタン:0 索敵:1000 回避:100000 機動:1000 攻撃:1000000 命中:1000000 必要:- スキル:? 神姫侵食度:0 備考:詳細は不明。 ただ解る事は武装神姫で作られた戦闘機である。 バージョンがいくつかあるらしく、これからも改良される可能性が高い。 ノーマルバージョン EXバージョン
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/563.html
武装神姫のリン 番外編その3「小さな幸せ」 リン…それは私の名前。 武装神姫第1弾、MMS TYPE-DEVIL「STRARF」のシリアルナンバー3600054468である私の名前。 マスターは私にこの名前を貰いました。 でも私、マスター、茉莉との問題を乗り越えてから2ヶ月ほど経ったある日、私はどうして「リン」という名前に決めたのか、ふとその理由が気になってしまいました。 そうして一週間が過ぎようとした頃、私は我慢できずにマスターにその理由を聞きました。 今回はそのときのお話しです。 それは用事で茉莉が実家に帰っていて、ティアもそれについていてしまい久々に2人きりになれた日のことでした。 「マスター…あの。」 マスターはいつものように顔を横に向けてくれました。 「どうした? なんか欲しいモノでも見つけたのか?」 「いえ…そうじゃなくて、聞きたいことがあるんですがいいですか?」 「ああ、いいよ。」 「じゃあ、なぜ私の名前はリンなんですか?」 「ああ、それか…」 マスターの顔がいつもと違って少し不安そうな、なんとなく力が抜けたような表情に変化しました。 「あの…マスター? お気に触ったんだったらすみません、でも…」 「じゃあ今からその名前に関連する、ある所に行くけど何も言うなよ。」 私はその言葉の意味を理解できず、ただただ 「はい。」 そう応えるしかありませんでした。 私の答えを聞いたマスターはすぐに進行方向を変え、駅へ。 そうしてJRと私鉄をいくつか乗り継いで郊外の町に着きました。 「ここにくるのは、久しぶりだな。」 やはりマスターの表情はいつものような元気がありません。 「あの…」 「何も言わない約束だろ。」 マスターの声がいつも以上に優しく感じられたので私は 「はい…」 口をつむぐまえにそう呟くことしかできませんでした。 そのままマスターは駅からの一本道をひたすらに進みます。 その日はまだ初夏だというのに日差しは強く、空が晴れていたことを覚えています。 焼き付けるような日差しの中を、マスターは途中で買ったミネラルウォーターを手に持ったまま歩いていきました。 そして着いたのは、お寺。の裏手にある墓地でした。 藤堂家の方々が代々眠る場所。そこにマスターは私を連れてきたのです。 私はその時点で大体の事情は把握できていましたが、マスターが口を開くまで待ちました。 マスターはミネラルウォーターを墓石にかけて、残った分はお供えを置くと思われる場所に置かれた湯のみに注ぎました。 そして私を手に乗せて、そこに眠るマスターの"家族"の名前が刻まれた石版の目の前に手をもって行きます。 それを見たとき、私は確信しました。 「リンていうのは。俺の妹になるはずだった子の名前なんだ。」 それと同時にマスターは私の問いへの"答え"を口にしていました。 それからマスターは全て話してくれました。 リンという名前はマスターと4つ違いの、今頃は茉莉とほぼ同じ年齢になっているはずだった妹に与えられるはずの名前だったのです。 それは今から17年前。マスターがまだ7歳のころ。 お母様(いまはそう呼ばせていただいています)は至って健康で、2回目ということもあり出産には何の問題も無いだろう、そう主治医の先生もおっしゃっていたそうです。 しかし予定日の2週間前、事件は起こったのです。 それはマスターとお父様(お父様はなかなか私がこう呼ぶことを許してくれませんでしたが今は大丈夫です。)が面会を終えて帰宅した直後でした。 突然お母様が出血したのです、原因は不明。 しかしそのタイミングは夜勤の引継ぎ時間帯であり、ナースセンターに人があまりいない状態。 しかも就寝の確認で夜勤の看護士の内の大半が各々担当の部屋を回っているとき。しかもお母様の部屋は巡回の最後の部屋。 お母様は必死にナースコールのボタンを探しましたが、不幸にもボタンがベッドの裏側まで落ちていて拾うことが出来ません、痛みをこらえることはできてもそこまで手を伸ばすことがお母様には出来ませんでした。 お母さんは必死に助けを求め、叫びました。 そうして巡回の看護士1人がそれを聞きつけるまでに20分の時を要しました。 お母様は緊急処置室にうつされ、処置が行われました。 マスターとお父様が知らせを聞きつけ病院にたどり着いたのがそれから30分後。 お母様は命に別状はありませんでしたが…おなかの子はすでに亡くなっていました。死産だったのです。 事前に女の子と判っていたので、お父様やマスターは意気揚々とその子の名前を考えていた矢先の出来事でした。 「今思うと茉莉が入院しているときに何度も何度も会いに行ったのは、そのときに亡くした"妹"を再び失うのはイヤだという気持ちが実はあったのかも知れない。」 そうマスターは最後に付け加えました。 「リンって言うのは俺が考えた名前だ。母さんが結構キリっとした目だったから妹なら似てほしいとおもった。それで辞書に載ってた『凛々しい』ていう言葉から凛ってな。 オヤジに話したら好評でそれにしようなんて車の中で話していたときに電話が掛かってきたからな。今でも覚えてるよ。」 「すみません!!」 わたしは謝っていました。 「あの、私。マスターが名前をくれたのが起動してすぐだったので何か理由があるのかな?と思っただけなんです。それがこんなにも深い事情があったなんて。本当にすみません。」 それを聞いたマスターはポカンとした顔で。 「はは、ちょっと懐かしくなっただけだよ。もちろんあの時は悲しくてしょうがなかったし、神様がいるんなら出てこい!! ってぐらい怒ったりもした。 でも過ぎたことは仕方ないし。過去は変えられない。 俺は今は幸せだぞ~リンがいて、茉莉がいて、ティアまでいる。そして皆元気でいてくれてる。それがおれの幸せだ。」 「マスター……私、どんなことがあっても絶対マスターの元を離れません。たとえ離れても、必ず帰ります。」 「ああ、約束だぞ。」 「はい、約束です。」 そして"凛さんに挨拶をして"帰りました。 その夏は茉莉とティアを連れて久しぶりの墓参りにやってきて墓石を綺麗に掃除しました。 そしてマスターは私たちのことを報告したのです。 実際に手に触れることも、顔を見てあげることさえ出来なかった。でも確かに存在した…凛さんに。 その頃からです、マスターと絶対に離れたくないと思ったのは。 理由はもちろんマスターを悲しませたくないというのもありますが、私だけじゃなくてみんなが元気でいること。 それこそががマスターの、茉莉の、ティアの、そして私の小さいながらもかけがえの無い幸せだと気がついたからです。 だから私はこれからもマスターの側を離れないでしょう。それこそ一生。私の"命"が続く限り。 TOPへ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1645.html
・・・。 「・・・・・・」 ぽかーん、と。進入口を前にして、マーチは突っ立っていた。 「えーっと。そういうことになっちゃった。気楽にやってみよ? マーチ」 ヤヨイは笑いを浮かべて、その後ろに座っている。自分のポケスタの中に一緒に仕舞っていた小さな箱を取り出して置く。 ごとん。 「ノーヴスと、バトルするんですか?」 「あ。やっぱり嫌かな?」 「いえ・・・。その、ちょっと楽しみです」 てへへっと笑いながらそう言って、マーチはぐっと手に力を込めて見せた。 「私、武装神姫です!」 対面の席に座るレオ。ノーヴスはのそのそと、ようやくポケスタから体は出した。 ふらりっと立ち上がると首をぷんぷんっ、と左右に振る。合わせて羽根飾りが揺れて、肩に引っかかった。 「マスター・・・ありがとうございます」 「?」 「彼女とは・・・。戦ってみたかったから・・・」 眠そうな目のまま、彼女は笑った。 「へぇ。珍しいね、ノーヴスがそう言うなんて」 「はい。良い風を、感じました」 そう言いながら。ポケスタの小物入れから、何やら紙に包まれた長い棒を取り出す。 「神姫としてではなく。『武装神姫』として・・・彼女がどんな風を吹かせるか・・・知りたいのです」 じっと。その言葉の意味を介しているのかは解らないが、レオはノーヴスを見据えていた。 「私も・・・えぇ。武装神姫、ですから」 「・・・うん、がんばって」 「行って。参ります」 ・・・。 高低差のある石畳と階段。そこは遺跡のようなステージだった。いわゆるジュビジーのノーマル武装に身を包んだマーチは、その両手で大きな木製ハンマーを携えて周囲を見回す。 キュベレーアフェクションには一個だけ箱状のOPT-γと呼ばれるパーツが付いているが、他は純正パーツそのまま。大きく広がった羽のようなユニットが作り出す、自分の大きな影を踏みながら、マーチは歩みを進めた。 がっしょ、がっしょ。と、一歩進むたびに大きな足音が鳴る。だが、それは明らかに・・・。 と、足を止めて。マーチは体を屈めた。通路の向こう側から、対戦相手となる神姫がゆっくり身を揺らせて近づいてきていた。 『STOP !』 コンピュータボイスにノーヴスも足を止めた。数個のパネルウィンドスが空中に表示されていく。 眠そうな目を、一度閉じる。その膝から下、そして胸と腕にはサイフォスが誇る装甲。しかしながら軽装モデルであり。他の部位・・・腰回りや袖には何も装備していない。左腕には小さな盾が装備されており、そこにサイフォスモデルのデフォルトソード『コルヌ』が差し込まれていた。 「マスター。アレ」 コンピュータがお約束の注意事項を表示したり、互いに違法パーツなどが無いかを検索している間。マーチはぽつっと呟く。 『うわ、カッコいい。さすがサイフォス。軽装もいいなぁ』 「えええ、そうじゃなくてー」 耳に直接入ってくるマスターの声。わくわくしている事を隠さないヤヨイに、マーチは困ったような声を上げる。 「ノーヴスの背中です」 見れば、その背中には、長い紙包みを背負っている。 「あれ、何だと思いますか?」 『うーん?』 「・・・」 『秘密兵器とか』 ・・・。 「やっぱり、そうですよね」 ヤヨイのそういう夢見がちな物を肯定してしまうマーチ。 『よしっ、マーチ。アレを使わせたら勝ちにしようよ!』 「あ・・・はいっ!」 彼女達なりの『ルール』だ。 だって、普通にやっても彼女は『勝てない』から。 『GET READY』 くるくるっとコンピュータグラフィックが回転して消えていくと、ぐっと姿勢を低くする。 そして、普通にやって『負けない』。けど、それは『負け』になってしまう『負けない』だから。 ノーヴスはコルヌの柄に手をやり、抜き放った。 『BATTLE !』 がしょん、という音を立てながら。マーチはキュベレーを前面に展開する。こっちから飛びこむ気は最初から無い。 だって、そんな事をしたら・・・。 「・・・。これより!」 澄んだ声が凛と響いた。 (ノーヴス?) 先までの、のんびりとした声ではない。 「此処にあるは戦士の魂。そのいずれにも・・・」 かっ、と。目を見開き、コルヌを中段に構えなおすと、ノーヴスはマーチを鋭く睨みつけた。 「精霊の祝福が。あらんことを!」 そう言い終わるや否や青い鎧は視界から消えていた。いや、消えつつあった。何とかそれを目で追う。 自身の身の丈の数倍の高さの位置、右上方に跳躍すると。そこにある柱を一度足場として、三角飛びの要領でノーヴスは側面からマーチに落下するように接近する。紫色の髪留の羽根飾りで軌跡を描きながら。15cmの小さな神姫だからこその、アクロバティックな強襲。 「う。わわっ?」 真正面から飛び込んでくるとばかり思っていたマーチは、その派手だが的確なアクションに慌てて体の向きを変えた。 キュベレーアフェクションの「爪」がマーチの視界を覆うように展開する。ふっと眉をひそめたが、ノーヴスはそのままコルヌを振り抜いた。 響く低い音。しかし、弾かれたのはコルヌの方。 文字通り、勢いごと跳ね返され、ノーヴスは左手を支点にしながら着地した。HIT表示は出るが、ダメージアラートは表示されない。 全部、受けきったという事。 ノーヴスがはっと気づけば、マーチがハンマーを振り上げていた。 「えーいっ!!」 しかし文字通りにそれは『遅い』。その軽装よりも軽い鎧で、ぱっと後ろに下がってそれを容易く回避する。 「あっ」 どかんっ! めり込む先端。舞い散る破片。 振り下ろした勢いは止まらず、木製のハンマーは地面をしたたかに打ちつけた。それに呼応するようにノーヴスは再度、軽い足音だけしか響かせずにマーチに接近した。その動きは重いという印象のある騎士ではない。まるで、木の葉のようにふわりっ・・・と。 慌ててマーチはアフェクションで前を視界ごと全部塞いだ。だが。 一際大きな、だんっ! という音。 それは踏み込みの音。その刹那の後に。 「わぁっ!?」 耳を劈く重低音が衝撃を伴ってマーチに襲いかかる。その動きに似つかわず、斬り払いの一撃は凄まじく重くて。 それでも、彼女は一歩さえ下がる事は無かった。 (固い。・・・いや、これは。固いといよりも・・・) ノーヴスは僅かながら手が痺れるのを感じていた。 とんっ。と展開が遅れたキュベレーを蹴って間合いを開ける。先と同じようにハンマーが今までノーヴスがいた所に上段から振り下ろされ、音を立てて地面を叩いた。 「うぅ・・・」 困ったようにそれだけ呟くと、マーチはその石畳にヒビを入れたハンマーを再度持ち上げて、腰を落として体制を整えた。 がしゃ。 一歩前に出る度に聞こえる音。それは足音だ。それが『何』を意味するか。ノーヴスは考えて少々ぞっとした。 その姿勢は防御だけを考えている。防御の後に攻撃を出来ればいいな、くらいの気持ちなんだろうか。 などと思考していると。 「えいっ!」 いつ、どこから取り出したのか、マーチの手に銃が握られていた。 (!) しまった。 銃声に、ダメージを覚悟したのは一瞬。その弾丸はノーヴスの右肩の・・・結構離れた場所を掠めていった。 「あれ?」 OPT-γに隠していた、文字通り隠し玉。「隠し弾」だったのだが、それはあっさりと明後日の方向に飛んで行った。 『チャンスだよマーチ! 相手が止まってるんだから!』 「は、はい」 ヤヨイの声に慌てたマーチはそのハンドガン、FBモデルのピストルを二発、三発と速射した。が、そもそも当たる軌道ではなく。既にノーヴスは横飛びでそこにはいない。 もはや、筋金入りの下手さである。 「うわ、わ」 急いで構えたまま追いかけて、そっちに銃口を向けようとするが、そこには困った事に自分のキュベレーの羽根。そして。爪の間の視界に映る青い影。 「わ。ひっ!?」 がつん! ピストルを取り落す。耳が痛くなるような音。思わず目を閉じる強烈な衝撃。ぐぐっ、と。そのまま押し込もうとする力の圧迫。 だが、マーチは下がらない。それどころか、そのまま圧力の方に一歩踏み出した。 「んううー・・・っ!」 ずんっ。 という、足音を残して。 爪の間から見えるノーヴスの顔が驚愕に染まる。 だけど、この状態では何もこちらからは攻撃できない。ハンマーは振れないし、ピストルを拾っても間抜けにも自分の「盾」に阻まれてしまう。他のジュビジーならそれこそ、アフェクションで攻撃するだろう。 (けど・・・) だから、マーチは頑張って『押す』事にした。 「ぇー・・・いっ!」 ずんっ・・・。 「えーいっ!」 ・・・ずしんっ! 一歩、また一歩と押していく。それは二歩めから「圧す」に変わっていた。 「っ!」 返されて膝と肘を畳んでしまったノーヴスが、ばっと後ろに飛びずさる。 ガ、ガコン。何かが噛み合うような低い音と共に。ゆっくりとアフェクションを定位置に戻して、マーチはきょろきょろと周辺にその影を探す。やがて、彼女はその青い影を遺跡の柱の上に見つけた。 「いつの間に・・・。速いなぁ」 心底茫然として、そう呟きながら、その数分の一の距離でもピストルを当てる自信の無い彼女はまた姿勢を低くして動きを止めた。 「なんという」 『うん、まさに種の殻だ』 感心したようなレオの声。 「えぇ・・・素晴らしいですね」 打ち込みの威力に自信が無いわけではなかった。 だが、自分の・・・サイフォスである自分の渾身の一撃は。そのジュビジーの足を1センチ下げる事さえ出来なかった。 「・・・あのアフェクションは、攻撃しないようです。出来ない、と言った方が良いでしょうか。それに」 『ノーヴス?』 「・・・。はい」 『君の予想通りだと思うよ』 全幅の信頼を寄せられている。と身に感じる言葉。 「・・・」 ノーヴスは数秒何か考えていたが。 「う・・・っ?」 ぐら、っと眩暈に似た感覚を覚え、眉を顰める。 「・・・」 首を振ると。彼女は意を決したようにコルヌを左手に持ち替え、背負った紙の包みを右手に携えた。 「あ・・・マスター、使いますよ、ノーヴス」 『うん、『勝ち』だけど、気を付けてね』 「はい!」 ぱっ、とノーヴスが柱から飛んで逆方向の瓦礫に音もなく着地する。その軽業に驚きつつも、そっちに体を向けた。 真正面。 ノーヴスは紙の包みの封を切って翻す。と、そこから姿を見せたのは。 「?」 思わずマーチは首を傾げた。 青い鎧、金の縁取。美しく気高い騎士型の右腕。そこに握られた物。それはとてもじゃないが、似つかわしいとは言い難い物。 血を思わせる赤と、黒。槍と剣の中間ほどの長さの柄。そして、その先端には歪な曲線を描く、二つの刃が組み合わさった不気味な剣身。 「あ。アングルブレード?」 そうだ。あの刃の部分はアングルブレード。悪魔型ストラーフの主力格闘武器だ。それを二本組み合わせている。 でも、どうしてあんな・・・。 「エエンレラトゥラーノ」 妙な単語を、ノーヴスが口にした。 「ヤウヤウッテ」 どこか、知らない国の言語なのだろうか。などと考えるは一瞬。ノーヴスはその黒い刃を一振りすると、マーチに飛びかかった。 あの剣が何かは解らない。だけど。アングルブレードなら。 (止められる!) 両のアフェクションパーツを前面に集中させる。 一刀目。左手に握られたコルヌの一撃が大上段から振り下ろされる。これまでよりも更に大きな衝撃がマーチを襲った。 「ううっ!」 しかし彼女は片目を閉じながらも両足をしっかりと踏みしめ、それに耐えきる。 二撃目。あの黒い刃を、ノーヴスは袈裟に振りかざしていた。 「ザイルドバルハっ!」 空気を引き裂く裂帛の気合。共に振り落とされる漆黒の剣。 耳が痛くなるような轟音が近くで炸裂した。 破片が舞うのが見えた。が、マーチに衝撃が伝わってこない。 何が起きたか理解できないまま。視界は変化していく。そんなつもりはないのに、視線が上へ上へ向かって行き。右足が前に前に行ってしまう。 「わっ! わっ? わわわっ!?」 腕をぶんぶんと振るが、虚しい抗いに過ぎず。 がしゃーん・・・! マーチは凄い音と共に。その場に仰向けで引っくり返っていた。 「あいたた・・・」 頭をぶつけてしまって、それを擦るヒマもなく。 すっ、と。顔の横に、刃が差しだされる。 「あ・・・」 涼やかな視線に眠たそうな感じはない。ノーヴスは小さく笑みを浮かべながら、じっとマーチを見据えていた。 「・・・あは。・・・負けです」 こちらも困ったように笑って。マーチは降参を宣言した。 最初はコンピュータも困っていたようであったが、しばらくして。笑うドクロのマークがマーチの体の上で回り始めた。 ちらりと見れば。黒い刃が抉ったのは自分の足元。そう、右足のあった場所・・・足場にしていた所だ。 凄まじい斬撃の痕跡が残り、散らばっているのは遺跡の土台、石畳の破片。 (そっか・・・) その『重さ』が、仇になった事を理解して。 双方ともに、ダメージはゼロ。一度もダメージアラートを表示すること無く。バトルは終了した。 2037の彩 彩・第一話 第四幕
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/735.html
武装神姫 鳳凰カップ 実況生中継! 「みなさん、こんにちわ。この番組の実況を務めさせて頂きます、アナウンサーの花菱 燕(ツバメ)です」 二日目の午前十時、俺は昨日まで予選会場だった場所に入れ替わるようにして設置された特設巨大スタジアムの放送席にいる 観客の最大収容人数は一万五千人、中継用のテレビカメラ30台…… もうアホだ、このグループ ゲンナリしつつもやはり解説者の仕事はやらざるをえず、ノアだけを連れて決勝トーナメント開会セレモ二ーのため勢揃いしている予選を勝ち抜いてきた16組を放送席から眺めていた 葉月のヤツ…滅茶苦茶緊張してるよ… 逆にアルティはドッシリ構えてやがる さすが元八相、大舞台には強いってか ミコとユーナはどこかって? 全国放送の番組だ、流石にミコとユーナを連れての大騒ぎはまずいだろうという事で二人は香憐ねぇに預けておいた ちなみに俺の横にいるアナウンサーさんは…もうなんとなくわかるよな? 燕さんは昴の母親なんだわ 花菱財閥の令嬢なのだが、アナウンサーの道に憧れてからは夫である昴の親父さんに財閥を任せ、のびのびと天職ともいえるフリーアナウンサーの仕事をやっている そんでもって御袋と桜さんの二人と同じく幼馴染 三人揃えば元祖かしましシスターズ!! …姉妹ではないがそれほど仲が良いということだ 「それでは今日の解説者の方をご紹介します。まずは武装神姫公式リーグ、公式ランキング13位、ファーストランカーの橘 明人さんと『緑色のケルベロス』ことパートナーのノアールさん。そしてそのお隣が同じく武装神姫公式リーグ、公式ランキング16位、ファーストランカーの綾川 千紗都さんと『黒き狼』ことパートナーの冥夜さんのお二人です。みなさま、今日はよろしくお願いします」 「よろしくおねがいします」 「よろしくおねがいします」 観客席から拍手をもらう 綾川さんは俺のランカー仲間でもある 多分御袋はそこら辺も知ってて彼女を選んだんだろうな 彼女の神姫は黒いアーンヴァルの冥夜 ノアと同じく刃物使いで『黒き狼』の二つ名を持っている 「今回の鳳凰カップ〈春の陣〉はかなりのハイレベルとの噂ですが橘さん、そこのところいかがお考えですか?」 「はい。花菱さんの仰るとおり、今回の参加者は予選脱落者を含めて非常にハイレベルとなっています。『黒衣の戦乙女』や『白い翼の悪魔』、さらには『鋼帝』に『剣の舞姫』、『弾丸神姫』、『クイントス』、『蒼天の旋姫』など、多くの名の知れた神姫が集いましたからね…」 「鶴畑 興紀選手も参加していますし…これはなかなか見られない好カードのバトルとなりそうですよね。綾川さんは注目されている選手はいらっしゃいますか?」 「私は……しいてお名前を上げるとすればAグループ代表のアルティ・フォレスト選手&ミュリエル選手でしょうか」 俺は綾川さんの言葉にぎくりとする 「彼女達は米国リーグで名をはせた実力者と存じています。ミュリエル選手はファーストの神姫にも劣らないとかで…」 そのことは観奈ちゃんから教えてもらっていたのであえて触れなかったのだが… あいつが騒がれたり注目されることで面倒なことになりかねないしさぁ… ちらりと下にいるアルに目をやれば「…何故私のことに触れなかったんだ」といわんばかりにこっちを凝視していた えぇい、この際見なかったことにしようと目線を横に逸らすとニコニコしながら俺を見ている綾川さんと目が合った それにしても…おかしいな…確か彼女には俺とアルの関係を教えてはいなかったと思うんだが… 「綾川さんは去年おこなわれた第三回大会、二度目の〈春の陣〉の優勝者ということですが…」 ええ? そうだったの? 俺、初耳なんだけど… 「はい、この大会は私にとって思い出深い大会なのですが…優勝した後の大変さが身に沁みましたね」 「と、もうしますと?」 「去年の大会からこの子が『黒き狼』なんて言われ出して、挑戦者が後を絶たなかったんですよ。橘さんのノアールちゃんみたいに実力があれば対処できたかもしれませんが、私達はホントに大変でした;」 少し困ったような笑顔で微笑む綾川さん 「つまり、この大会の知名度がどれほど高いかというわけですね…。さぁ、今大会からも未来の超有名神姫が誕生するのでしょうか!? 間もなく開会セレモニーが始まろうとしております!!」 燕さんがそういい終わるとスタジアムの横から屋根が出現し始める えぇ!? このスタジアムって特設のくせに開閉ドーム式なのか!? やっぱアホだろこのグループ!! 屋根が閉まりきり、スタジアムの中は真っ暗闇に包まれた この後はジジイによる主催者挨拶である (なんとなく頭の中で『一寸先は闇』って諺が浮かんできたんだが…俺ってネガティブ?) (安心してくださいご主人様、私もですから…) ノアと小声で話していると、スタジアム中央に“カッ!”と一筋のスポットライトが輝く その光の真ん中にはジジイの姿が………って、オイ 『れでぃ~~すえんどじぇんとるめん!!ようこそ盛大なる戦姫の祭りへ』 なんか椅子に座って足組んでるよ… 赤いスーツ姿で右目には黒い眼帯だしよ… おもいっきりアレじゃねぇか… 『さて皆さん、今ここに集いしは過酷な試練を超えた十六組の小さな姫とそのパートナー達であります。まずは苦難の道を勝ち抜いた彼らに賞賛の言葉を送りたいと思います…』 あああああああああ…頼むから全国ネットでアホな姿はさらすんじゃねぇぞ!? アンタ代表なんだからな? 鳳条院のトップなんだからな? 『しかし、彼ら彼女らに待ち構えるは今までよりもさらに厳しい王者への道。己の名を広き世界へ轟かせる勝鬨を上げるものは誰なのか、しかと彼女らの放つ熱き輝きを目に焼き付けて欲しい。諸君に『五色の翼の杯』……聖杯の加護があらんことを……』 左手をまげて礼式風の御辞儀をする爺さん 流石のジジイもなんとかちゃんとした場だと言うことはわきまえ… 『それでは皆さんご一緒に!! 武装神姫バトル! れでぃ~~~~っ……』 『ゴーーーーーーー!!!!』 ガツン! と勢いを殺せないまま実況席のテーブルに額をぶつけてしまった俺とノア 燕さんも綾川さんと冥夜もひっくるめて会場全員で怒涛の開幕となった もしかして毎回コレをやってるのかあのジジイ…… やっぱアホだわこのグループ!! 「さて、続いては決勝リーグのルール説明へと参りましょう。決勝リーグもバトル方式は予選と同じくバーチャルバトルです。しかし、通常のものよりもバージョンアップしている超大型V.B.B.S.筺体を使用します」 この大型V.B.B.S.筺体はフィールド自体の大きさはリアルバトルで使用するフィールドほどの大きさだ ようするに、リアルバトルにできるだけ近いバーチャルバトルということだな 「会場の皆様や視聴者の方々には私達の放送席の向かい側の巨大スクリーンより緊迫感のある白熱したバトルをご覧頂けます」 ちなみにバトル中の両オーナーは位置的に巨大モニターが見れなくなっている 自分の神姫が何処にいるのか相手にばれないように、また、相手の神姫がどこに隠れているのかわからないようになっているんだ 「鳳凰杯は第一回戦の八試合を午前の部とし、そこでの勝者八名による再抽選をおこないます。その後、途中休憩を挟んでから残りの午後の部に移ります。以上で説明の方を終わらせていただきまして、第一試合の方に参りましょう…」 またしてもライトが消えて暗闇に包まれてからしばらくすると、東西の両端に一本ずつ光の柱が一回戦の対戦者達を照らし出す 「まずは西方、虎門よりAグループの覇者、アルティ・フォレスト選手とミュリエル選手! 彼女らに対しますはBグループを制しました鳳条院 葉月選手とレイア選手、龍門より入場です!!」 お互いに大型V.B.B.S.筺体をはさんで目線をぶつける さっきまでの緊張は何処へやら、真剣そのものの顔はいつのも葉月ではない証… 「この試合の見所はいかがな所でしょうか橘さん」 見所って言ったってなぁ こちとらいきなり身内同士の対決なわけで…… とりあえず 「決勝リーグのオープニングを飾る一戦ですからね。双方悔いのないような良いバトルを期待しています」 ありきたりだがこんなもんだろ… 「御主人様…明人さんが悔いのないように頑張れって言ってます…」 「………」 「御主人様?」 「大丈夫だよ、レイア」 「は、はい……」 「私にはレイアがいてくれる…私はレイアを信じてる」 「御主人様……」 「あの時みたいに…力がなくて、ただ兄さんとアルティさんを…二人の関係を見ているだけしかできなかった私じゃない。今の私にはあなたがいる…お願いレイア…私に力を貸して!」 「………はいっ!!」 「実力的に言えばレイアは今だお前ほどではない…ただ、エリーがどんな厄介な物を渡したのか…そこが気になるな」 「……気にするの良くない…所詮、ぶっつけ勝負…」 「そうかもしれんがエリーは武装の特性にあうモニターを選ぶだろ。お前だって何回か使っただけで《ライトオリジン》や《レフトアイアン》を使いこなしたじゃないか」 「…そう………………………だっけ?」 「…なんにしても警戒が必要ということだな」 「さぁ両オーナー、武装させたパートナーをエントリーゲートに見送ります…」 他の武装をサイドボードに置くと開始前の静けさが会場を支配する 固唾を呑むとはこの事だ フィールドは…天守閣がそびえ立つ城の中庭 散りゆく桜に満月の光が影をつくる中に二人の悪魔がお互いを見つめている 「負けるわけには…いきません…」 「……勝つ……」 『ファーストバトル…ミュリエルVSレイア、レディ………』 両者腰を落として始まった瞬間の動きを警戒する 『ゴォォォォォォーーーーーーーーーーー!!!』 「はあぁぁぁぁっ!!」 『先に動いたのはレイア選手! 開始の合図に一足早く反応した!』 いや、違う ミュリエルも反応できていたがあえて後手に回ったんだ スクリーンに映るミュリエルの表情に一片の焦りも伺えない 冷静そのもの、完全に誘っている ミュリエルはそれでも接近するレイアをバックステップで距離をとりながら手に持ったシュラム・リボルビンググレネードランチャーで迎撃 会場のあらゆる所に設置されたスピーカーから爆音が響き渡る 『クリーンヒットか!? レイア選手、開始十秒とたたずに終わってしまうのでしょうか!?』 爆心地周辺を覆いつくしていた黒煙が舞い散る桜をのせた風により少しずつ薄らいでいく レイアは満月の逆光を背に浴びながら立っていた それも…… 『レイア選手…む、無傷です! 目の前にかざした巨大な武装で身を護りました!』 目の前にかざした武装…それすなわち紛れもなくエリーからの陣中見舞い、全領域兵器《マステマ》であった 全長はLC3には満たないものの、高強度の防御装甲があるため重量で言えば間違いなく上である それゆえに攻防一体の構えが取れ、前方下と後方下についた悪趣味なほどにギラつく刃は大抵の物を重さとともにぶった切り、前の刃のすぐ上はアレンジのため高エネルギー砲となっている オマケに二機のN2ミサイル…とまでは流石にいかなくても…ASM-Ⅶ『ハルバード』レベルのミサイルを備えてある 『敵意』の名の通り…手加減容赦ない凶悪兵器を自分の前にかざしているレイア 普段はおとなしい、良い子の彼女が始めて悪魔に見えた瞬間である 『無傷…か。防御装甲の強度が半端じゃない…出し惜しみしていて持久戦にでもなれば流れはこちらに不利だぞ』 「了解、《ライトオリジン》……展開…」 右腕手首がパージされ、蓄蔵されていたエネルギーが砲身にプラズマ現象を引き起こす 『レイア、チャージ開始。迎撃方法はわかってるわよね?』 「わかっています御主人様、任せてください!」 『ファーストコンタクトを終えお互い、今だ無傷! 高エネルギー波の力比べとなるのでしょうか!』 それはマズイ 《ライトオリジン》はあらかじめ初発分のエネルギーチャージはすませているはずだ ミュリエルは慌てずに照準を合わせるほどの余流がある 「……Lock」 スコープのど真ん中に映りこんだレイア目掛け高エネルギー波は発射される 『今よ、レイア!!』 「てあ!」 レイアは《マステマ》を持ち上げる さきほどと同じくを表に来るようにするが… 『またしても防御の姿勢に入った!しかし綾川さん、それで防げるのでしょうか!?』 答えは否 受け止められたとしてもミュリエルは次の動きに入る 反動で遅れたところを《レフトアイアン》の速射砲でつめられたら成す術がなくなってしまう 万事休すの展開でも葉月とレイアの目はまだ生きている 『彼女の狙いが防御だけとは限りませんよ』 と綾川さんの一言 『同意見ですね…』 『そ、それはどういう…』 すぐに答えは周知のものとなる レイアは《マステマ》の防御装甲面を展開、下に隠れていたハルバート級ミサイルを後方刃の上部にあるもう一機とともに合計二本、全弾打ち出した 防御装甲面下に隠れていた分は《ライトオリジン》のエネルギー波を相殺し、残る一方はミュリエル目掛けて飛んでいく 『小ざかしいマネを…ミュリエル、《レフトアイアン》!!』 「…展開、迎撃開始…」 即座にパージされた左腕から銃口が現れ雨あられと弾幕を張る …なにか妙だ 普通、ミサイルの迎撃を重視するなら《アポカリプス》も使えばいい… 「彼女、何か狙っていますね…」 マイクを通さずに俺に話してきたのは綾川さんだった 彼女も俺と同じく勘付いているようだな ミサイルは《レフトアイアン》だけでも打ち落とせたが、爆発した距離が近かったせいもありミュリエルは黒煙の中に消えていった 『レイア、決めるわよ!』 「了解です!!」 『昴…借りるぞ』 「…《アポカリプス》…展開」 黒煙の中でミュリエルの呟きは誰にも聞こえることはなかった サバーカの脚力を十二分に使い、正面に《マステマ》の銃口が先にくるように構え、突進するレイア ドスン! という音が聞こえたかと思うと煙の中で両者の動きが沈黙する 完全に煙が晴れた後、そこにあった光景は ミュリエルの腹部を貫いている《マステマ》の刃 しかし致命傷とまではいかない ジャッジプログラムによる勝利判定もない、ミュリエルのギブアップもない つまりまだ勝負は続いているのだ 「《マステマ》の刃は貫き通すためにあらず、《マステマ》の刃は捕らえるために…あるです!」 レイアはそのまま銃口を天高く掲げる 銃口にはミュリエルが刺さったままで身動きをしない…… 彼女の様子を良く見なかったことがマズかった レイアから見たミュリエルは満月と重なり逆光となっていたのだ 「コレで……終わりです!!」 「カルヴァリア・デスペアーーー!!」 『だ、第七聖典!? きまったかぁー!?』 とりあえずそのツッコミは置いといて… そのまま銃口から放たれる高エネルギー波がミュリエルを包んだ…次の瞬間 パン! と音を立ててミュリエルが………『割れた』 普通ならここで大ダメージによるジャッジコールがあるか強制退場となるのだがミュリエルのそれはどちらとも明らかに違っていたのだ その証拠にまたしても勝者コールが聞こえてこない 『こ、コレはどういうことでしょう…ミュリエル選手が倒れたのに勝利判定がありません……』 プログラムエラーでないとすると結論は一つ ミュリエルはまだ……そこにいる 「なっ…確かに手応えはあったハズなのに……」 彼女の周りに散るのは拡散したミュリエルだった物と夜風に舞う桜吹雪 あとはそれを照らす荒城の月……ただそれだけでフィールドの中は風の音のみが不気味に聞こえる うろたえるレイア その動揺が彼女の警戒レベルを一瞬だけ落としてしまっていた 「………Lock 」 レイアの真後ろ… 『なっ!?』 「なんですって……」 《ライトオリジン》を再チャージし終えたミュリエルがその銃口をレイアの後頭部に突きつけていた 『…まだやるか、葉月?』 そこで葉月はやっと納得がいった顔をした 思い出したようだな 『なるほど、そうだった………ふぅ、ここまでみたいね…降参します』 『マスターギブアップ。勝者 ミュリエル!!』 『ぎ、ギブアップです!ミュリエル選手第一試合を勝利で飾りました!!』 呆然となる観客も少しづつ我にかえり拍手や喝采を送り始める 『みゅ、ミュリエル選手が再び現れました…で、では橘さん、先ほどのミュリエル選手はいったい…』 『アレはですね…』 『……バックパックに収納してあった衝撃吸収素材で作られた特殊ダミーバルーン…ですか』 『!!』 綾川さんが俺の言おうとしたことを当ててしまっていた 『彼女がミサイルの撃墜にバックパックを使わなかったこととも辻褄が合います。ミサイルの黒煙は隠れてフェイクのバルーンと入れ替わるためにあえて近くで爆発させたんですよ』 おかしい 『そして入れ替わり、相手の必殺技をやり過ごさせてその後の隙を突く…単純ですがバルーンを展開した後となれば見破るのは至難の業となります』 これは昴が八相の-メイガス-と呼ばれていた頃、あいつの異名の元となった戦術だ ただのフェイクではない 幻の数を多数出現させることができる香憐ねぇの『惑乱の蜃気楼』とは別の、 『完全に同一の物を複製したかのように…-増殖ーしたかのように見せるトラップスキル……ですね』 昔の昴を知っている俺や香憐ねぇでさえ見破るのは至難の業 戦ったことのない葉月にしても、知識としては理解していたはず だか結果としてやられているわけだ アレを見破れる人物なんて早々いないはず…なのに… 少し警戒して彼女を見ると、何事もなかったかのように「なんですか?」というような微笑で俺の顔を見つめ返してくる 『第一試合はアルティ・フォレスト選手とミュリエル選手が準々決勝進出を決めています。それでは一端、CMです」 彼女は…一体… 追記 「桜や、動きはどうなっとる?」 「今のところ、彼女からの新たな連絡はありません」 「そうか、挨拶では少し挑発してみたんじゃがのぅ」 「…調子に乗ってたら彼女に殺されますよ?」 「なんだかホントにシャレにならんの…謝っておいたほうがええか?」 「それが宜しいかと」 「しかし…このまま動かんとなると…ますます嬢ちゃんの言っとった線が濃くなってくるの…」 「…あと、フェレンツェ博士が何かに勘付いている様子でしたが…」 「彼は流石に鋭い。侮れんわい…だが、彼にも話すわけにはいくまいて。嬢ちゃんとの約束じゃからの」 「…兼房様、私で宜しかったのですか?」 「ふぉ。お主が鳳条の名参謀と呼ばれとるのはわしがそう言って回っておったからじゃ」 「は? はぁ…」 「ま、それだけお主を評価してると思っとくれ。ふぉっふぉっふぉ!」 「有り難う御座います、兼房様…」 続く メインページへ このページの訪問者 -
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1573.html
過去と流血に囚われし、嘆きの姫(その二) 第三節:怨霊 ゆっくりと、幽鬼の様な動きでその姿を見せたのは……神姫ともその他の MMSとも判断しがたい、軍隊風の装束に身を包んだ12センチの少女だ。 否……軍隊風、というのは正確でない。どちらかというと“戦闘機”だ。 流暢な日本語で捲し立てるその娘を見て、私は率直にそんな印象を抱く。 「来るなって、言ってるでしょ!?……貴女、やっぱり当局なのね!」 「日本語が分かるのか。いや、私達は権力を持たぬ……只の民間人だ」 「嘘よ!アタシを叩き壊す為に来たのよ、奪う為なんだわ!そうよ!」 「マイスター、この娘……脚が……ううん、腕も全部……武器ですの」 ロッテが青ざめた様な表情で呟く。彼女の言う通り、私達の眼前に居る MMSの姿は酷く歪だった。両脚が、無骨な武器に置換されていたのだ。 左脚は、膝にパイルバンカーらしき杭が見える。脛にもシリンダー風の 構造物があるが、これも恐らくは何らかの武装だろう。足は人のそれと 違い、ソリの様な板状の装置になっていた。右脚も同様だが、こちらは 膝にアンカーの様な物とリールが見て取れた。ワイヤーランチャーか? 両腕には重火器風の鉄塊がぶら下がっており、掌も無骨な鉄拳である。 「絶対そうだわ……そんな眼でアタシを見て、貴女も憎いのよッ!!」 「憎い、かどうかは分からぬ。そなたは、コレと関係があるのか……」 「そんな事どうでもいいでしょ!?どうせ全部分かってるクセにッ!」 彼女はストイックかつ無骨な姿とは裏腹に、ヒステリックな声で叫ぶ。 背にセットされている二本の曲剣には深紅の染みが幾つかこびりつき、 その腰には鉄で出来たスカートと……無骨な拳銃が二挺下がっていた。 更に肩胛骨の辺りには、巨大な二枚のバインダーと三角形のユニットが セットされていた。先程は、これを利用して飛んでいたのだろう。だが そんな武装と胸元の装甲板を揺らして、彼女は尚も狂った様に吼えた。 「そうよ!“ドクトル”や“マヨール”を殺して“妹”達も壊して!」 「……マイスター、この娘ひょっとしたら……アレかもしれないもん」 「アレって何!?人間の味方気取ってるんじゃないわよ、ガラクタ!」 クララが私に耳打ちするのを、彼女は聞き逃さない。しかし、ここまで 過敏になっているというのはやはり“AIPTD”か何か……ともかく 超AIに対して強いプレッシャーが掛かっているのは、疑い様がない。 単に凶暴化しているにしては、被害妄想が強い気がするのだ。無理矢理 そういう調整をされたのかもしれんが、ともあれ彼女は何かおかしい。 単純に殺人の命令を受けている、という訳でもなさそうだが……むぅ。 「……ガラクタなんかじゃないです!あた……この娘達は違います!」 似た様に一度人間を拒絶した茜……アルマが、咄嗟に叫んだ。慌てて、 『あたし達』という言葉は呑み込んだが、彼女は既にお見通しだった。 小刻みに震える手で茜を指差し、彼女はキッパリと言い切ってみせる。 「何言ってるのよ!声や動きで分かる、アンタもその玩具達と同じよ!」 「うっ……そうです、あたしも武装神姫。貴女だって、そうでしょう?」 「違うわよッ!!あたしは……あたしは“ロキ”!あたしは……ッ!!」 アルマの正体を看破した所まではいい。だが彼女は、その後の言葉が全く 続かない。ロキという名を告げた所で、激しく肩を振るわせ始めたのだ。 ……数秒の沈黙を破って、呪いを吐き出す様にロキは己の正体を告げた。 「“戦略級殲滅型MMS”……“ハザード・プリンセス”の零号機よ!」 「ハザード……プリンセス?“ラグナロク”が創った、MMSの名か?」 「ッ!?やっぱりアンタ、知ってるのね!絶対、壊しに来たのよッ!」 私の呟きに、ロキが再び烈火の如く激昂する……歩姉さんを殺したMMS。 そんな“予感”に囚われる意識を振り払い、私は彼女を見据えた。躯は、 武装神姫と何ら代わらないサイズである。これをテロや暗殺に用いようと 企んだ“ラグナロク”の邪心に、吐き気さえ催す……が、ここは我慢だ。 「落ちついてくれ、私達は壊しに来た訳ではないのだぞ……ただな?」 「嘘だッ!!そう言って人間は、アタシ達を騙して壊したのよ!!?」 「えと……さっきから、壊した殺したって……話が見えてきませんの」 「トボけないでガラクタッ!人間は、飽きたら玩具を棄てるのよ!?」 錯乱しているのか何なのか……至極真っ当なコミュニケーションさえも 成り立たないまでに、ロキは怒り狂っていた。いや、むしろこれは…… そう、“憎悪”。世の全てを恨み、嫉み……憎み、蔑む。そんな姿だ。 神姫にも“心”がある以上、そういう感情に支配される可能性はある。 だが、いざ目の前にすると……これ程まで憎悪の力は強いのかと思う。 「ロキ、と言ったか……そなたを使役する“ラグナロク”の……」 「いないわよそんな奴ッ!?もう誰も、アタシの側にはいない!」 そんな彼女を目の前にして、私達の心によぎったのは……哀しみだった。 歩姉さんの仇かもしれないMMSなのに、何故そこまで世界を憎むのか…… そうまでに歪み腐れ傷ついた“心”の存在が、とても哀しく思えたのだ。 「……私は本当に、お前の身に起きた出来事を知らぬ。話してくれぬか」 「ふん!何処まで嘘ばかり言えば気が済むの!?良いわ、言ってあげる」 「お願い、なんだよ……それを知れば、ボクらにも何かできる筈だもん」 「無理ね。むしろアンタ達も、“人間”から今すぐ逃げたくなるわよ!」 ──────何が、あったのかな……道化の神に……? 第四節:憎悪 “道化の神”の名を冠するMMSは、シェードの深奥に隠された瞳で私達を 睨み付ける。表情こそ見えぬが、明らかに殺気の混じった視線を感じる。 そして、一拍置いてから彼女は語り始めたのだ……己の呪わしき宿業を。 「アタシは、“ラグナロク”の博士……“ドクトル”に作られたのよ」 「……そう言えば、戦略級とか零号機と言っていたな。試作型なのか」 「そうよ。アタシは後に産まれた十二人の“妹”達……その姉だった」 私は話を聞きながら、納得する。彼女の装備は、全て人間社会に対する “兵器”なのだと……そう、彼女は『人間を殺す為の兵器』なのだと。 しかし、必ずしもそれだけではなかったという痕跡も……見えてくる。 「人間の顔なんてないカメラアイの妹達もアタシも、皆大事にしたわ」 「大事にって……商品のサンプルだからって意味、じゃないのかな?」 「違うわ!それもあったかもしれないけど、色々遊んでくれたのよ!」 ロキは語る。自分達の閉じた世界で、なお創ってくれた人間……そう、 “ラグナロク”の面々は人間味溢れる態度で、彼女らを愛したのだと。 クララの抉る様な質問を、血を吐く勢いで否定したロキの態度が証拠。 「イタリアで、電車を“プラズマ・ボマー”で壊した後だってそうよ」 「ッ!?……い、イタリア……?その時に、創造主はなんと言った?」 「何も言わないわ!でも、撫でてくれたのよ……笑ってくれたのよ!」 神姫は須く『マスターの為にある事』を第一義として生きる。ならば、 神姫の試作品を元として産み出されただろうこの娘も、神姫達と同じく 『自分を使ってくれる人の為に働く』事を、その喜びとしていたのだ。 目の前のロキが歩姉さんを殺した……その事実と、神姫としての因子を 受け継いでいた哀れなる姫。二つの事象が、私の中で渦を巻いていく。 「最初は“ベルンハルト”も“マヨール”も、冷たかったけど……でも」 「でも、その内に笑って貴女を抱きしめたりしてくれた……んですか?」 「そうよッ!他の人間なんか知らない、アタシ達の大事な人だったわ!」 「例えどれだけの人間を殺しても、その人達が笑ってくれるなら……?」 「構わないわ!だから……だから、アタシは望まれるままに戦ったの!」 彼女の腰に下がる血塗れのマチェットが、その歴史を証明する物だろう。 神姫のサイズならば、爆破工作だけと言わずに様々な裏の仕事が出来る。 ……残酷な様だが、理論上は非常に効率的だった。唯一の誤算は、作った “ラグナロク”の連中自身に、制御し切れない感情が産まれた事だろう。 そしてその“想い”は、知らず知らずにロキを“道化”へと換えたのだ。 「でも……でも、そんな事をした為に“ラグナロク”は壊滅しましたの」 「そうよ!アタシは皆に笑ってほしかっただけなのに、他の人間がッ!」 ただ愛するが故に屍山血河の道を突き進んだロキは、しかしその行いが 遠因となって、愛する人達を永遠に喪ってしまったのだ。自分がいくら 悪を為していたと認識しても、“想い”はそう簡単には精算出来ぬ物。 「あいつらは、あいつらは……何も言わずに皆を撃ち殺したのよッ!」 「……そう言えば“妹”さんは、その時どうしていたんですの……?」 「八人が人間達に壊されて……四人が、何処かに連れて行かれたわッ」 ロキの声が震える。彼女の脳裏に浮かぶのは、楽しかった思い出か…… それとも“悪”として滅ぼされた、愛する人々と“妹”達の断末魔か? “神々の黄昏”という名に相応しい、苦い余韻を伴って組織は滅びた。 だが唯一この世に遺されただろう彼女の“心”は、果たしてどうなる? 「“ベルンハルト”は、自分を盾にしてアタシを逃がしてくれたのよ」 「……そして、この東京まで逃げてきたのかな?たった一人で……?」 「一人じゃないわ!運び屋が持ってきたの!でも、でもアイツら!!」 そして……そんなロキの傷心に毒を塗り込んだだろう“運び屋”。やはり その者は二流……神姫を扱う者としては、三流以下のゲスだった様だな。 ……そう。私はこの時、ロキが最早『神姫と同じ娘』に見えていたのだ。 私の心を揺さぶる様に……ロキが、己に降りかかった最期の災厄を語る。 『畜生、ベルンハルトの奴!こんな玩具を俺に寄越しやがって……ッ』 『な、何するのよ!?やめて、こんな暗い所に押し込めないでよ!!』 『煩ぇ!お前の運び先なんて教えられてねぇんだ!人形が喋るなッ!』 『嫌!なんて突然、皆怖い顔してるのよ!?“マヨール”だって……』 『黙りやがれ!お前がはしゃいだ所為で足が着いたんだろうがッ!!』 『ぁ──────ッ』 あくまでもその運び屋は“荷物”としてロキを認識したのだ。恐らくは、 それまでロキが触れる事の無かった、組織の末端だったのだろう。信じる “ラグナロク”の構成員に、邪魔な玩具として扱われるという仕打ち…… 彼女に産まれた“人への憎悪”を増幅したのは、間違いなく彼らだろう。 そして恨みを払拭する事もなく……彼らはロキのシステムを停止させる。 彼女はスリープ状態でも記憶・記録を整理し続け……憎悪を、純化した。 「……気が付いたら、箱の中。それを破壊して出てきたら、ここよ!」 「自分でも知らない内に、秋葉原まで持ち込まれて……なの、かな?」 「そう、アタシはここで“棄てられた”!人間なんて、そんな物よ!」 ──────人間の為に、生きて……人間に、殺されたんだね……。 第五節:疑念 彼女は……ロキは、泣き叫んでいた。無論だが、涙を流す機能は備わって いないだろう。仮に備わっていたとしても、このヘルメットでは見えぬ。 下手をしたら、シェードの下にあるのは単なるカメラかもしれない。だが 私は……私達“四姉妹”は、強く感じていたのだ。哀しき“神の涙”を。 「アタシは、だから……自分が壊れるまで、復讐する事にしたのよ!」 「復讐?……人に、ううん。人間の存在する文明全てに……ですの?」 「そうよッ!もう、人間なんて信じない!だから、全部壊すのよ!!」 モノトーンの躯を揺らし、彼女は強い怨嗟の声を上げた。己を裏切った この世全ての悪となり、何もかも打ち砕くと吼えたのだ。しかし……。 「どうして、ですか?もう一度、誰かを信じてみる気になりません?」 「なるわけないでしょ!そう言う人を皆殺しておいて、何を言うの!」 「しかしだ……お前が愛して信じていたのも、また同じ人間なのだぞ」 もし彼女の語った事が全て真実ならば、私は彼女を止めねばならない。 無論、それは彼女を壊して『正義の為に戦う』等という、偽善に満ちた お題目を吐く為ではなく……私のエゴとして、彼女に止まってほしい。 「違うわ!同じ人でも、あの人達と他は違う!違うのよッ!そう……」 「ッ!?マイスター、下がって!拳銃を抜いた……撃たれるんだよ!」 「アンタも違うッ!冷たくてゴミみたいで、居る価値もない人間ッ!」 しかし憎悪に振り回されていたロキは、初めて遭った私の言葉を聞かぬ。 腰に下げていた両手の拳銃を抜き、私達にその照準を合わせたのだ……! いや、違う!この銃口の向きは……ロッテとクララか!?私は、焦った。 「そうね、このガラクタを壊せばハッキリするでしょ!そうでしょ!?」 「だ、ダメです!この娘達を撃つなら、まずあたしから撃って……ッ!」 「嫌よ!まずこのガラクタから壊して、それから殺してあげるわ……!」 『だめッ──────!!!』 ロキの厳つい指が動き、拳銃の引き金を引いた。先程の爆発と同じ様な、 プラズマの波紋が空気中を伝わり、文字通り光の速さで弾が飛んでいく。 ……最早、思考さえも追い付かない刹那の瞬間。私は、無意識に動いた。 「……ぐ、ぅぅ……!?……くぅ、手が……痛い……なッ」 「え……嘘?マイスター、何を……してるん、ですか……」 「……そんな、マイスターの手が……血が、流れてますの」 「ボクらを、庇って……手で、弾丸を受けたの……かな?」 皆が気付いた時、私は二つの弾丸を手に受けていた。咄嗟に両手を伸ばし 茜の肩にいるロッテと、己の肩に座ったクララを庇ったのだ。幸い、指は 全て付いている。激痛で意識が消し飛びそうになるが、深い傷ではない。 だが伝う血は涙の様に零れて、地と私の手を濡らす。そして彼女は……! 「嘘よ……嘘、嘘よ嘘!嘘よッ!?何故、そんなのを庇うのよ!?」 「……彼女らが、私の大切な“妹”だからだ。護るのは、当然の事」 「嘘ッ!人間なんか、アタシ達なんてどうでもいいんでしょ!!?」 「……誰が何時、ロキ……お前をガラクタと言った。全くもう……」 他ならぬ彼女……撃ったロキ自身が狼狽えていた。私だって、何故こんな 無謀な事をしたのか、と問われると……これしか応え様がない。しかし、 これで分かった。彼女は、己を“要らないガラクタ”と思いこんでいる。 となれば、彼女の憎悪を解きほぐす糸口も……見えて来るという物だな。 「……わからないわ。わからないわよ!何故、人間なのに何故ッ!?」 「マイスター、血が出てます!これ、早く止めないと……拙いです!」 「気をしっかり保ってほしいんだよ、マイスター!……今は、退いて」 「マイスターを、やらせはしませんの……ここは、退いてください!」 ロッテもクララも、私の身を思い量って“魔剣”を手に盾となる。茜は、 HVIFを纏っているのも忘れ“アルマ”として、私を抱きかかえる…… 血の流れに意識が遠のきつつも、“妹”達の勇姿はしっかり見えていた。 「なんでなのよ!?人間なんて身勝手で怖くて、庇っても意味無いわ!」 「意味は、ありますの……この人は、わたし達の“愛する人”ですのッ」 「愛する人の為に戦ってきたのは、他ならぬ貴女がやった事なんだよ?」 「だから、あたし達は……マイスターの、晶さんの為に戦うんですッ!」 「……わからない。アタシ、人間が分からない!貴女達も分からない!」 明らかな怯えの色を見せつつも、ロキが背中の翼を広げる。悪魔のそれを 想起させる変形を見せたバインダーを使い、彼女は東京の空へと消えた。 追い掛ければ届くのかもしれないが、今の私に追い縋る事は叶わぬ様だ。 「行っちゃいました……それより、マイスター!?大丈夫ですかッ!?」 「これは……一応掛かり付けの外科医さんが近所にいますの!そこへ!」 「分かったんだよ!マイスター、気をしっかり保って。傷は浅いんだよ」 「すまないな、皆……痛ッ!何、かすり傷だ……大した事は、ない……」 ──────哀れな姫様を、きっと助けてあげるからね……? 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2611.html
与太話8 : ロストデイズゲーム 注1)ライトノベル『武装神姫 LOST DAYS』のネタバレがあるかもしれません。 注2)一ノ傘射美:第三章登場キャラ。見た目は姫乃のロリバージョン。 「マスター。正直なところ、ダメだと思うんです」 エル操るマルスにネスが吹っ飛ばされたところで、エルは唐突にぽつりと呟いた。机の上にペタンと座り込み、ゲームのコントローラを構えて必死になって画面を目で追うアルトレーネ。その姿に、バトルで見せてくれる凛々しさは皆無だった。 残機も残り僅かとなったこの『スマブラ99機耐久戦』は今のところ、エルが大差をつけてリードしている。COMは早い段階で姿を消した。俺の隣で必死にコントローラをガチャガチャやっている一ノ傘ロリ姫、もとい射美は残機が一桁になった段階で逃げに徹し、今は遠くからファイヤーボールをばら撒いてばかりいる。 俺はといえば、今日は調子が乗らないらしく自滅が多いのだが……まさかスマブラでエルにダメ出しをされるとは思わなかった。 「弱っちくてすみません……精進しますんで、はい……」 「パパをいじめちゃメーよエル! ママに言いつけるからね!」 「あ、いえ違うんです。スマブラのことじゃなくて、武装神姫のことでちょっと、よくないなぁ、と思いまして」 声はどこか上の空でぼんやりとしたエルだったが、画面上のマルスはステージ上を颯爽と駆けてマリオに接近し、慌てて放たれたマリオのスマッシュに上手くカウンターを合わせた。また残機を一つ減らした射美は俺の膝の上で暴れた。小学校高学年程度の体格とはいえ、耐久戦の間ずっと居座られているもんだから、もう脚の感覚なんてとっくに無くなっている。さらに射美が暴れる度に俺の腕を揺さぶって邪魔をされる。 姫乃、早く帰ってこないかなぁ……。 「一昨日マスターが買ってきた神姫のラノベ、ちょっと読んでみたんです。表紙のとおり、といいますか案の定アーンヴァル型がメインで、ライバルにストラーフがいて、アルトレーネの『ア』の字すらなくて……ここまではいいんです。ええ、いいですとも。アニメ化も含めて、どーせ主役を張れるのはあの二人だけですから」 「パパ、こういうのを『卑屈』って言うんでしょ?」 「そういうことを本人の前で言うな」 「私が物申したいのは、ストーリーのほうなんです。せっかく本になったのに、中身は刑事さんが神姫がらみの事件を追う無難な話ですよね。もうちょっと捻って欲しかったです」 「無難って……」 「ぶっちゃけSSWikiの中にありますよね、似たようなお話」 「パパ、こういうのを『メタフィクション』って言うんでしょ?」 「難しい言葉を知ってるなぁ射美は。良い子だ、偉いぞ、だから少し静かにしてような」 話しながらも、スマブラの試合は淡々と進んでいく。 射美の最後の一機が落とされ、ネスとマルスの一騎討ちになった。エルが三六機、俺はあと十三機残っているが、いい加減面倒になってきたので、コントローラを射美に渡してやった。嬉々として受け取る射美だが、マリオと違って扱いづらいネスでは数分と持たないだろう。 「研究所から脱走したり、小学生とかに拾われたり、悪い人に悪用されたりするのは、もうお腹いっぱいです。つまり何が言いたいかというとですね、いくら万人向けのメディアを作ろうとしても、武装神姫で今以上のものを作るのは難しいのではないかと思うわけですよ私は」 「パパ、『めでぃあ』って何?」 「メディアより先に卑屈とかメタを覚える女の子って、将来大丈夫なのか……」 「MMSの軍事利用が最たる例だと思うんです。確かに私達神姫自身ですら簡単に想像できますよ。小さくて、心を持つけど忠実で、おまけに大量生産できる神姫が戦争に向いてることくらい。でも、だからこそ、簡単にそんなお話を作ってほしくないんです。もっと私達の可能性を探ってほしいんです。といいますか――」 長時間小さなコントローラを握っているにもかかわらず、エルは疲れるどころか、むしろ熱弁するほどマルスの技はキレを増していった。射美操るネスのパーセントは3ケタに到達することもなく、次々と残機を減らされていく。 「神姫って基本、ロクなことに使われてませんよね。ロボット三原則とかガン無視じゃないですか」 「エルだって、俺の眉間に爪楊枝刺したじゃん」 「うわっ、エルひどーい」 「そ、それは手が滑ったといいますか、ノリといいますか……と、とにかく! ゲームのプチストーリーみたくイチャイチャしようにも、身長差のせいで見ていて虚しくなりますし、それなら、小さな神姫が世界を破滅から救ったりするほうが壮大で良い感じだと思うんです。プレデターとかやっつけたいです」 「世界を救う、ねぇ」 「ちなみに、勿論私はイチャイチャは大歓迎ですよ」 「射美の前で変なこと言うな!」 「大丈夫だよパパ、あたしは何も分かってないから。ママにもちゃんと内緒にするね」 「子供が変な気を回すな!」 マルスがネスの最後の一機を撃墜して、長かった対戦がエルの圧勝でようやくの決着を迎えた。膝の上の射美が次をやろうと言い出す前に、ゲーム機本体の電源を切った。なぜ99機耐久戦なんて始めたのかは忘れたが、もうスマブラは暫くやらなくていい。 「世界を守るのが無理でも、マスターを守るために戦いたいです。『マスターには指一本振れさせません!』とか、どんな神姫だって憧れる台詞なんです。でも身長が違いすぎますから、マスターを後ろに庇ったりできなくて、想像の中でしか実現できないんです。この全神姫の葛藤から解放してくれるような小説やアニメがあると、私は嬉しいなーと思うわけですよ」 「ははあ。その神姫愛好家以外に受けなさそうなストーリーは世に出ないから、神姫はダメだなんて言ったのか」 「です」 「パパとエルが一緒の大きさになればいいの? あたし知ってるよ。あれ、ほら、ライオン? だっけ。ゲームのやつ」 「ライドオンのことですか? あれは言葉の響きがエロいからダメです」 「だから射美の前で変なこと言うなや!」 「大丈夫だよパパ。パパだってママによくライドオンしてるじゃない」 「誰だ射美をこんな子に育てた奴は! ぶっ飛ばしてやるから出てこい!」 「もういっそのこと、アダルトなシナリオを作ったほうが知名度の向上に繋がるんじゃないでしょうか」 「18禁から離れろぉっ!」 世界とマスターを守ってみたい、というのならば、そうさせてみることにした。 「結局ゲームですか。コンティニューできる世界じゃあんまり緊迫感がないです」 「コンティニュー禁止の一発勝負だ。1回500円もするんだからな。いいか、これ1プレイしたら帰るぞ」 筐体でのバトルをするばかりが神姫センターではない。別フロアには、神姫達が遊ぶための設備がある。今俺とエルが使っているのもその中の一つだ。 普通のゲームセンターによくあるガンシューティングの神姫バージョン、といったところか。仮想空間上に神姫と、ライドシステムにより仮の素体を操るマスターが乗り込み、ステージを攻略していくのがこのゲームだ。二人のどちらかのLPが尽きたらゲームオーバー。ただしマスターが使う素体に攻撃能力はなく、神姫はマスターを守りながら先へと進まなければならない。まさに、エルが望んだ通りのシチュエーションだ。 二組でのプレイも可能だが、姫乃は残念ながら射美のおもりをしている。 「大丈夫ですよマスター、私一人で十分です。マスターは私の背中だけを見て進んでくれればいいです」 「でもなあ、この手のゲームって大体コンティニュー前提で作られてるはずだぜ。何ステージあるか知らないけど、最初のステージで即ゲームオーバーとかもあり得るからな」 「マスターは私の剣が信じられませんか?」 エルは剣を軽く横に振った。小さな腕で振るわれた一閃は、エルの成長が一目で見て取れるくらい、ブレがない。 ニヤリと笑みをこぼしたエルは俺の手から500円玉を奪い取って、投入口に入れた。 「あなたの戦乙女は、あなたが思っているよりちょっぴり強いですよ?」 意識が仮想空間に飛ばされ、仮の体を与えられた。 降り立った場所は、木造の建物が規則正しく立ち並ぶ街だった。ただし、どこもかしこも、火の手が上がっている。人の姿が見当たらない代わりに、いかにも「凶暴だぞー!」と言わんばかりのモンスターがうろついている。 一直線に伸びる道の遥か先に、大きな教会らしきものが見える。このステージでのやるべき事は非常にシンプルだ。 モンスターを倒しながら、教会を目指せ。 前に立つエルは背を向けて、教会を見据えている。身長が同じくらいになったからだろうか。ロングコートをはためかせ、ゆったりと二本の剣を構える後ろ姿は、そこにいるだけで俺に安心感を与えてくれる。 「フフッ、マスターが後ろにいてくれるだけで、なんだか力がみなぎってくるみたいです。じゃあ行きますよ、しっかり付いてきてください!」 順調だったのは、最初のオオカミ数匹を切り崩したまでだった。 あれよあれよという間に多数のモンスターに囲まれ、パニックに陥った俺達はがむしゃらに走り、気がつけば中ボスらしき巨人の前まで来ていた。既に精根尽き果てていた俺達は、二人仲良く巨人の棍棒に薙ぎ払われ、倒れるのだった。 仮想空間から戻ると、目の前のスクリーンにコンティニューのカウントダウンが表示されていた。カウントダウン解除には、500円玉が必要になる。 「ふう……じゃ、帰ろうか」 「もう一回! もう一回だけお願いします!」 「ダメだ。一回きりって約束したろ」 「さっきは惜しかったんです! 次は必ずや! 必ずやマスターをお守りしてみせます!」 「どこに惜しい要素があったんだよ……あの調子じゃ全クリまでに諭吉が飛ぶぜ」 「マスターの鬼ー! けちんぼー!」 「フハハハハハハ! なんとでも言うがいい、俺は500円のためならプライドをも捨てられる男!」 「器が小さ過ぎますっ!?」 懇願するエルを無視して帰ろうとした、その時だった。 「あれ? 背比やん。へぇ、背比もこんなゲームで遊ぶんやね」 ばったり竹さんと出くわした。肩から下げるトートバッグからはいつも通り、 「鉄子ちゃん、まさか弧域が来てることを知ってて……」 「下種の勘繰りはよしなさい、コタマ。久しぶりですね、エル殿。あなたもあのゲームを?」 コタマとマシロが顔をのぞかせている。 エルはゲームをやっていたかと問われても、「ええ、まぁ……」と歯切れの悪い返事をすることしかできなかった。ステージを1つもクリアできなかった、とは口が裂けても言えないんだろう。 「アタシも今からやるところなんだけどさ。で、エルは何分だった?」 「は? 何分?」 「クリアした後にクリアタイムが出るじゃん。覚えてない?」 「そ、そうですね、そういうのは、ちょっと……」 「コタマったら、マシロの記録を今日こそ抜くんやって息巻いとるんよ。ほら、あれ」 竹さんが指差した先、さっきまでコンティニューのカウントダウンが表示されていたスクリーンに、今度は歴代ランキングが表示されていた。 1.MASHIRO 00:09:44:20 Continue,00 2.KOTAMA 00:13:36:49 Continue,00 5位までコタマの名前が並んでいて、それ以降から他の名前が登場するが、どの記録も数十分、コンティニュー数回が記録されている。最下位のコンティニュー回数など、見るだけでゾッとしてしまった。 このゲームの本質はえげつないものだった。コタマやマシロは別として、これは、攻略専用に対策した装備を用意できて、好きなだけコンティニューできるだけの財力を持ったブルジョワマスターだけが楽しめるゲームだ。 「お遊びにそこまで熱くなることはないでしょう。妹君に付き合っていただくのもこれで最後にしなさい」 「お遊びで10分切っといて勝ち逃げ!? あームカつく! 今日こそギャフンと言わせてやる! ほら始めるよ鉄子ちゃん、アタシが言った通りに動いてよね!」 「へいへい」 「あ、そうだ。せっかく二人プレイできるんだし、エルと弧域もやらない? 足速いエルが先行して面倒くさい奴倒していけば、かなり時間短縮できるよね。弧域のことは心配しなくても、アタシが【指一本振れさせないからさ】」 「…………こ」 「こ?」 「コタマ姉さんなんて大っキライですうううううううううっ!」 フロアにいる人達の足の合間を縫って、エルはフロアから出ていってしまった。竹さん、コタマ、マシロは呆気にとられて固まっている。 「ねぇ弧域。アタシ、何か悪いことした?」 「察してくれ、色々と」 「なんか、ごめんね背比。私もエルのこと探しに行こうか?」 「いや、大丈夫。こっちこそ突然すまん。じゃ、俺達は帰るわ」 この後、エルはすぐに見つかった。 一階で店員として働く神姫達がエルを慰めてくれていて、俺の顔を見るなり「お客様といえど許さん! そこになおれ!」と説教モードに入った。 店内のど真ん中、普通にお客さんがいる中で理不尽な罵詈雑言を浴びせ続けられること十数分、俺は帰りの電車賃として取っておいた500円玉を出すことで、ようやく解放されるのだった。 じゃあ貴様、にゃーは面白いストーリーを作れるのか、と指摘されると、ゴメンナサイと言う他ありません。 LOST DAYS をディスりたいわけではなく、もうちょっとコアな神姫ファン向けのストーリーを作ってもいいと思うんです(ただし携帯以外の媒体で。Forget-me-notのコミック早う)。 また、帯の【メカ×少女×ハードボイルド】、可愛らしいあんばる、そしてボリューム増し増しのおっぱい、と明らかに新規さんウェルカムな感じを醸しだしていますが、それなら中身も、もうちょっとあざとくしたほうが良かったのでは? と思わなくもありません。 15cm程度の死闘トップへ